北朝鮮の大学生は「妊娠中絶ビジネス」も…若者は思想よりカネ (2/2ページ)
中央政府からも地方政府からも一切の予算が与えられないため、学校が独自で予算を確保しなければならないからだ。
北朝鮮では大人たちだけでなく、子どもたちも商売しなければ、学校に通うことすら難しくなっている。
こうした事情は大学生も変わらない。例えば一昨年5月、韓流ドラマのファイルを保有していたという容疑で女子大生が拷問され、悲劇的な末路に追い込まれた。女子大生が韓流ドラマのファイルを保有していた理由は、自身が視聴するだけでなく売買も視野に入れていたとみられる。
医大生のなかには「ヤミの中絶手術」に手を染める学生もいる。無償医療制度が崩壊した北朝鮮では、産婦人科医が個人宅に出向いて行われるヤミの中絶手術が横行しているが、医大生たちが夏休みや冬休みに入ると、大学の課題そっちのけで、このバイトに勤しみ学費などを稼ぎ出すというのだ。
そして、子ども達が商売に関わる事に対する周囲の見方もかわりつつある。平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋によると、数年前までは商売する中高生を見かければ「親が悪いせいだ」と思う人が多かった。しかし、今では「親の面倒を見る立派な学生さん」と見る人の方が多くなった。
一銭の価値にもならない金正恩氏の「新年の辞」や、北朝鮮の建国神話である白頭山伝説など勉強するより、親の家計を助け社会勉強という意味でもは、よほどためになるからだろう。