北朝鮮の大学生は「妊娠中絶ビジネス」も…若者は思想よりカネ (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮の大学生は「妊娠中絶ビジネス」も…若者は思想よりカネ

市場経済化が進む北朝鮮で、中高生が勉強もそこそこに市場やトンジュ(金主、新興富裕層)が経営する企業で働く動きが拡散しつつあるという。大学生の中には違法な商売で学費を稼ぐ学生もいるという。

背景には、一般庶民がつくりあげた草の根資本主義が国家経済を席巻し、北朝鮮経済がもはや社会主義経済ではなくなりつつあることがある。

女子大生を拷問

90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を境に配給システムが崩壊した北朝鮮では、生計は自分の力で成り立たせることが求められる。国家や党の幹部や、それなりの地位にいる人なら、物資を横流ししたり、ワイロをせびったりして収入を得られる。しかし、地位も財力もない一般庶民は、市場で商売するしかない。

こうした北朝鮮社会の変化は大人だけでなく、子どもの社会、そして教育現場にも及んでいる。

例えば、北朝鮮は無償教育を謳い、教科書や制服といった学用品は、本来なら無料で支給されることになっている。しかし、実際はすべて市場で購入しなければならない。ちなみに、仮に無償の支給品、例えば、金正恩党委員長の「恩恵」として学校制服が支給されたとしても、子どもたちからは「ダサい。人間の価値が下がる」などと、無慈悲にこき下ろされる。

このように北朝鮮社会が大きく変化する中、午前中は学校に行き、お昼には市場に出て、親の代わりに市場での店の番をする子どもたちが増えている。さらに、学校ですら市場と化しているという。

子どもたちは、学校でクラスメートと「売れ筋アイテム」の情報を交換する。ガム、キャンディ、ノートなどをカバンいっぱいに詰めて持ち込みその場で売買する。教科書などは二の次だ。

意外なことに、こうした子どもたちのビジネスに対して保護者も問題視しない。友達同士でのやり取りなので、えげつない値段交渉をすることもなく、うまく物品をまわせば市場より儲かる。むしろ、「必要なものがあれば、学校で友達から買いなさい」と言う親もいるぐらいだ。

学校当局も、子どもたちの商行為をいましめるどころか、煽るも同然の行為を繰り返している。そもそも、学校自体が施設の補修、機材の購入などの費用という名目で、子どもたちの家庭から上納金を要求する。

「北朝鮮の大学生は「妊娠中絶ビジネス」も…若者は思想よりカネ」のページです。デイリーニュースオンラインは、高英起デイリーNK学生ニュース経済海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧