金正恩氏「血と恐怖のシナリオ」第二幕が開いた (2/2ページ)

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彼の息子である呉日勲(オ・イルン)氏は朝鮮労働党統一戦線部、イルス氏は貿易省、そして日晶(イルチョン)氏は、朝鮮人民軍の高位幹部職の一つである党軍事部長をそれぞれ務めていた。

とりわけ、呉日晶氏は2015年には金正恩氏の公開活動に動向する回数も増え、崔龍海氏とともに抗日パルチザン第2世代として金正恩体制を支えていくと見られていた。しかし、昨年8月には失脚説が出ていた。

呉三兄弟の解任に関して、韓国政府関係者は「三兄弟は降格とかではなく、現職から完全に退いたと聞いている」とTV朝鮮に語ったという。一人だけならまだしも、三人とも退いたとすらなら極めて不自然であり、なんからの罪に問われて粛清された可能性が高い。金正恩氏が振り回す粛清の刃がついに抗日パルチザンの血筋にも及びつつあるのかもしれない。

一昨年11月、朝鮮労働党の機関紙である労働新聞は社説で次のように強調した。

革命の信念は自然に遺伝されるものではない。信念を捨てた人間は、かつての社会的地位があったとしても、歴史のゴミとして捨てられるのが革命闘争の教訓だ。

2015年11月2日付労働新聞社説「死んでも革命信念を捨てずにいよう」より

建国以来、代を次いで金王朝を支えてきた赤い貴族たちの命運も金正恩体制では一寸先は闇のようだ。

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