金正恩氏も激怒必至…北朝鮮庶民の体制批判ジョーク (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

金正恩氏も激怒必至…北朝鮮庶民の体制批判ジョーク

北朝鮮の一部庶民の間で、金正恩党委員長が聞いたら激怒するであろうジョークが囁かれている。

徹底的で暴力的な言論統制が敷かれている北朝鮮でも政治体制に不満を抱き、ジョークや隠語などで金正恩体制を批判する人々はいる。もちろん彼らも、言質を取られるような表現で体制批判をするわけではない。

「ブタ」呼ばわり

一昨年、北朝鮮の若者たちの間では「4丁高射銃で撃たれてみるか?」というジョークが流行った。4丁高射銃とは、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)前人民武力部長の公開処刑で使われた銃火器で、人間を文字通り「ミンチ」にする恐ろしいものだ。残酷な処刑方法をジョークにするとは悪趣味と思えるかもしれないが、公開処刑が珍しくない北朝鮮の現実を反映していると言えるだろう。

金正恩体制に反発する北朝鮮の人々のこうしたリアルな声は、本欄やデイリーNKジャパンでも繰り返し伝えてきたが、正恩氏は国民のユーモアによって「裸の王様」にされつつあるようだ。

昨年8月には「大同江(テドンガン)ブタ工場(養豚場)」を現地指導した金正恩氏に対して、庶民らは喜々としてあれこれと揶揄したという。

最近では、金正恩体制の聖地である白頭山すらジョークのネタになっている。

正恩氏のネガティブ情報

中朝国境にそびえる白頭山(ペクトゥサン)は、金日成主席が抗日パルチザン活動の根拠地とし、金正日総書記の出生地(実際はロシア生まれ)とされていることから、金正恩体制にとっては聖地である。金日成氏に始まる一族は「白頭の血統」と呼ばれる。

北朝鮮は金正恩氏の偶像化を目的に、白頭の血統の業績を称えるための国際大会の開催を企画しているが、その一方で北朝鮮の庶民の間では「白頭山よりも韓国の漢拏山(ハルラサン)が頼れる」というジョークが出ている。一体、どういう意味か。

白頭山は先述のように金日成氏の一族、つまり現在は金正恩氏を意味する。一方、済州島にある韓国の最高峰・漢拏山は、なんと脱北者を意味するというのだ。つまり、まともな政治もできない金正恩氏より、韓国で稼いで送金してくれる脱北者の方が頼れるという意味だ。

韓国の脱北者は、北朝鮮に残した家族のために仕送りをしている。

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