昼ドラ的展開に1話を費やす、ある意味ぜいたくな「おんな城主 直虎」第8回

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「おんな城主 直虎」NHK公式ホームページより
「おんな城主 直虎」NHK公式ホームページより

 柴咲コウ(35)主演のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第8回が26日に放送され、平均視聴率は前回から0.5ポイント上昇の13.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。

「赤ちゃんはまだか」とのサブタイトルの通り、井伊直親(三浦春馬)としの(貫地谷しほり)の間になかなか跡継ぎが産まれないことを描いた第8回。しのは子ができないことを気に病むあまり、どうやらうつ傾向にある様子。「どうせ子ができなければいいと思ってるんでしょ。そしたら、私を離縁して大手を振ってほかの女を迎えられるから」と、すねたことを言います。どう見ても、「私と離縁したら次郎法師と結婚するんでしょ」という意味。

 それを察したのか、「もしそんな話があったら、縁もゆかりもない若いおなごじゃ」と答える直親。うーん、相変わらずアホです。「次郎法師とは結婚しないから。ほかの若い女だから」「あっそうなんだ。それなら良かった」ってなるかいっていう。ここまで人の気持ちがわからずに育ってしまった直親に、果たして井伊家の当主が務まるのでしょうか。逆説的に言えば、そうならなかったからこそ井伊家が存続したのかもしれませんね。

 今回のクライマックスは、井戸の周りでの次郎法師としのの対決。「そなたに恨まれるようなことは何もしておらぬ!」と次郎に一喝され、「私がおとわ様であったらと誰もが思っている。子が生まれれば変わると思ったが、1人も恵まれない。悪いのは私ですか。ほかに誰を恨めばよいというのですか!」と苦しい胸の内を伝えるしの。

 このしののキャラクター、本来はかなりウザいはずなんですが、貫地谷しほりの名演技のおかげでそれほどイラッとさせられることもなく、陰うつになりすぎもせず、むしろ視聴者が「しのもかわいそうだよね」と同情したくなるような人物に描かれています。今後も独自の魅力を放つキャラクターになってくれそうで楽しみです。

 さて、次郎法師はわざとしのをあおることで、奮起させようとする作戦にチェンジ。「あんたが死ねば私が代わって妻になるもんねー」的な態度で早く自害せよと迫ります。よくある展開です。普通の映画やドラマなら、ここで投げやりになって襲い掛かってきた相手がいとも簡単にねじ伏せられて泣き崩れるのが定番。と思ったら、襲い掛かられて普通に驚いている次郎法師。いやいや、そこまであおったら反撃してくるでしょ普通。影に隠れていた傑山(市原隼人)がとっさに助けてくれたから良かったものの、危うく刺されるところでした。

 でもこれ、名案らしきものを思い付きはするものの、後のことをあまり考えていなかったおかげで苦労するという次郎法師の性格が幼少期から根本的には変わっていなかったことの証拠。しのにジャコウを贈ろうとしたのも、彼女のためというよりも井伊のお家と人々を守る竜宮小僧であろとうしたゆえの行動。だからこそ、しのという1人の女が自分に嫉妬心や憎しみを抱いていることに気付くことができないんですね。

 さて、いよいよ来週は桶狭間の戦い。織田信長は登場するのかどうかが一部で話題となっていますが、少なくとも桶狭間の時点では不要な気がします。むしろ、昨年の「真田丸」での超高速関ヶ原のように、井伊谷に敗戦の報が伝わるだけでもいいかなと思っていますが、読者の皆さんはどう思いますか?

文・中島千代

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