侍ジャパンWBC2戦目も勝利!打線は好調も…

まいじつ

田中允堂 / PIXTA(ピクスタ)
田中允堂 / PIXTA(ピクスタ)

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第2戦で、日本代表『侍ジャパン』はオーストラリアと対戦し、4対1で勝利した。これで侍ジャパンは1次ラウンドで2連勝になり、2次ラウンド進出の可能性はかなり濃厚となった。

オーストラリア戦のために侍ジャパンの主力選手たちがグラウンドに現れたのは、午後4時50分すぎ。緊張が感じられた前日の試合前とは変わって、選手に笑顔がこぼれており、筒香嘉智と中田翔が談笑するなど、雰囲気もよくなっていた。前日の勝利が、最高の良薬になったのだろう。そして、この時点で「昨日(対キューバ戦)の打順は変更しない」という小久保裕紀監督の起用法がメディア陣にも伝わっていた。

打撃練習を見守っていた稲葉篤紀コーチが囲まれ、オーストラリアの先発投手、アサートンの攻略法について質問された。

「変化球投手だと思います。長身で、素直なフォーシーム(ストレート)は投げて来ない。かといって、そんなに(球速が)速いとも聞いてないのですが。低めの見極めがポイント」

一方で、オーストラリアの四番打者は、東京ヤクルトスワローズなどの日本の球団に所属したことのあるデニング。NPBの通算成績は2割2分2厘、4本塁打、22打点。日本代表はアテネ五輪でこそ、このオーストラリアに敗戦しているが、オーストラリアは過去のWBCの3大会で通算成績が1勝8敗という格下の相手だ。国内にリーグはあるものの、野球レベルは低迷している。

日本の快勝を海外のメディアも予想し、オーストラリア代表のティム・ディーブル監督も「苦戦する。中国、キューバには勝って…」と口にしていた。同監督はアテネ五輪も指揮しており、その後はレッドソックスのスカウトを務めた経験から、侍ジャパンの先発投手の菅野智之をチェックした思い出も語ってくれた。

「大学生のころから,本当にいいピッチャーだと思った。でも、(交渉は)付け入る隙が全然なかった(笑)」

試合は、大方の予想とは異なり、二回裏にオーストラリアの7番打者デサンミゲルに本塁打が出て、日本が最初に失点を喫した。

無警戒だった豪先発投手を打ち崩せなかったが…

一方で日本の打線は、あまり警戒をしていなかったアサートンを攻めあぐねていた。投球内容が適度に“荒れている”というもので、捕手の構えたところに球はいかないものの、打者が狙い球を絞れない投球で、回を重ねるごとに徐々に球速も上がっていった。“低めの見極め”の用心を促した稲葉コーチの展開が外れたのだ。

「前日のキューバ戦で打線が11点を奪う猛攻を見せたためか、強引なバッティング、大振りが目立ちました」(プロ野球解説者)

結局、日本はアサートンを打ち崩せずに、五回表にようやく代わったオーストラリア2番手投手ウェルズから、前日4安打1本塁打の松田が犠飛を放って、同点に追いつく。

そして、その1対1の均衡が破れたのは、七回表。前年日本一チーム、北海道日本ハムファイターズの四番打者を務める中田がレフトスタンドへ本塁打を放ち勝ち越し。中田はこの本塁打が今大会の初安打。これでベンチと球場の雰囲気が一変した。その中田の一撃をモニターで見ていた菅野は、それまで発表していなかった投球談話を出した。

「打ちにくるバッターが多いので慎重に行きました。また次につなげたいですね」

本塁打で勝ち越した直後なので、表情はほぐれていた。一方、中田はベンチに腰掛けるなり、広報を介して談話を出す。

「菅野が一生懸命に投げていたんで、打てて本当によかった」

投打の選手がともにエールを送るような談話だった。チームの雰囲気はさらによくなったようである。

さらに、小久保監督、稲葉コーチともに「大きかった」と評したのは八回表の攻撃。四番打者の筒香嘉智が駄目押しの2点本塁打で勝利を引き寄せた。左右の大砲が本塁打そろい踏みを見せたが、首脳陣はその呼び水となった青木宣親の四球を「大きい」と語っていた。

投手陣には1戦目同様に不安が残る

「これで、1試合目と2試合目にスタメンで出場した選手全員に安打が出て、一次ラウンドの突破がほぼ確実となった。9日の中国対オーストラリアと、10日の日本の試合の前に行われるキューバ対オーストラリアの試合の結果で、1次ラウンドの突破が決まれば、小久保監督は最後の中国戦で調整やテストの意味を込めて、打線を変更してくるのではないでしょうか」(前出・解説者)

あえて課題を挙げるとすれば、投手陣だろう。失点を許したリリーフ投手が少なくない。この日に登板した岡田俊哉は、同点になった直後に一死一二塁の場面で登場したが、暴投でピンチを広げている。この場面は無失点で切り抜けたものの、暴投の直後は目がうつろになり、浮き足立っているのが明白だった。

他のリリーフ投手にもWBC公式球や雰囲気への違和感を聞くと、「それはもうない」と否定する。だが、WBC公式球は滑りやすいため、変化球の変化量こそ大きくなるが、ボールの回転数が減るため、バットに当てられると、飛距離が出てしまう。いつも通りというわけにはいかないだろう。

過去3大会で、1次ラウンドと2次ラウンドを無敗で突破したことはない。油断は禁物だ。

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田中允堂 / PIXTA(ピクスタ)

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