WBCは「適応能力」が勝敗を分ける (1/2ページ)

まいじつ

(C)Shutterstock
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2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の観客動員数は、すでに60万人を超えたという。前売り券の売上げ状況から見出した計算ではあるが、WBCは大会回数を重ねるごとに認知度を上げ、野球ファンを拡大しているようだ。

「侍ジャパンと対戦したキューバ、オーストラリア、中国、オランダ、イスラエルの選手たちは、日本の応援に驚いていました。声援だけでこんなに球場全体に響くのか、と。さらには、日本の球場は整備が行き届いていて、きれいだと感心していました」(米国人ライター)

野球文化の違いも攻撃面で表れた。日本は点差が大きくリードしていても、貪欲に1点を取りに行く。これに対して、“侮辱された”と誤解した投手も出たという。その通りなら、余計な敵愾心を買う恐れもある。まだ一方で、まるでマスゲームのように一糸乱れぬ日本のバントシフトに驚いていたチームもあった。技術や戦略のきめ細やかさならば、日本は世界一である。しかし、フィジカル面やパワーでは敵わない。アメリカの球場に多く見られる急勾配のマウンド、表面が滑るとされるWBC使用球への違和感にしてもそうだろう。

恵まれた日本の環境とは違う海外の野球

「NPBの大半の選手は学生時代に『国際大会』を経験しています」

学生野球の関係者がそんな話をしてくれた。観客席全体が敵陣営を応援するビジターゲームの苦しさはもちろんだが、学生の国際大会における練習環境は必ずしも“公平”ではないことも多かったという。

日本の大学代表チームがアメリカに乗り込んだ際には、現地の野球場を借りられず、陸上競技場で練習したこともあったそうだ。また、ホテルのシャワーからはお湯が出ず、冷たい水で身体を洗ったことも。今回のWBCで来日した海外チームに対し、日本の主催関係者は最大限のもてなしをしたが、過去の学生の海外遠征では、練習環境の不公平はむしろ当たり前だったと話す。

「松坂世代の選手が大学生だったころは、陸上競技場での練習しかできませんでした。

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