山本一郎（やまもといちろう）です。子供を育てていて、栄養価のバランスが崩れないように、それでいて食事に飽きないように家内がレシピ本やサイトを見て研究しているのを見ると、食と教育って本当に繋がっているのだなあと実感する日々であります。

　そんな中、先日ハチミツを乳幼児に食べさせてしまい、ハチミツに含まれる菌が増殖してボツリヌス症を引き起こし死亡してしまうという痛ましい事件が発生しました。言われてみれば、私も長男が生まれる前の区の講習会で、ハチミツや黒糖を乳幼児に与えるのはやめましょうという話があったのを思い出しましたが、ある種の常識とされるものでも、知らなければ親が「子供の体に良いもの」と誤認して善意であげてしまうケースは多々あるんじゃないかと思います。

乳児ボツリヌス症で初の死亡例　ハチミツ与える｜日本経済新聞

　一方で、そういうレシピサイトの側でも、離乳食でハチミツ混入事例を引き起こさないように留意するべきところが、激しくやらかしていたのがクックパッド社です。

離乳食にはちみつで男児死亡　「クックパッド」のレシピをめぐり物議
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　なんかもう、ちきりん女史ネタはこれで本サイトで取り上げるのが3回目という体たらくではありますが、まさかそのクックパッド社の社外取締役になるとは思ってもいなかったんですよね。ただ、クックパッド社の件は、記事を執筆している播磨谷拓巳さんも「クックパッドは無策だったのか」と疑問形で書いている通り、あくまで記載が不十分だったというスタンスで書いておられます。

　育児をする側の立場で言うと、離乳食を食べさせ始めるのは常識的には月齢6か月ぐらいの赤ちゃんからで、母乳の出が悪いお母さんや、共働きで早々に現職復帰した人はもう少し早いかもしれません。そうなると、離乳食というキーワードでハチミツ入りや黒糖がヒットすること自体が不親切じゃないのかなという感じはするんですよね。

　むしろ、クックパッド社としてはこのような問題が出たときに他から騒がれる前に率先して「問題が起きたレシピについては、誤解して乳幼児がハチミツ入りの食事をしてしまわないよう検索内容からキーワードを外しました」というのが親切というものです。別にクックパッド社も問題を起こした食材レシピを乳幼児に食べさせたいと思っているわけじゃないでしょうし。ただ、そうやって騒がれてもなお頑なに掲載し続けてるような会社じゃなかったと思うんですよね。悪意があるわけじゃないけど、世の中の流れに鈍感というか。

　他にも、ユッケはまずいんじゃないのとか、通報窓口入れておいたほうが良いだろうという意見も散見されるようになりました。

　この手のCGMでは危ない情報を投稿されたり、党勢が聞かなくなるのが常であるとはいえ、企業姿勢や時事問題に対するセンス、敏感さというのは大事だと思いますので、ネット対策で幅広い知見を有するはずのちきりん女史の出番が来ているのではないかと生暖かく見守りたいと思います。

著者プロフィール

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』（宝島社新書）など多数

公式サイト／やまもといちろうBLOG（ブログ）

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン／デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研