武士道の精華いざ敵討ち!ちょちょっと待って、実はルールがちゃんとありました (1/2ページ)
武士道の精華として称賛されてきた敵討ちですが、実はルールがたくさんあったとか。敵討ちはルールに則って遂行しないといけないのです。
敵討ちのルールじゃ、具体的にどんなルールかというと…
敵討ちできるのは、師匠または父母・叔父叔母・兄姉など目上の近親者が殺された場合のみ。子供の敵を親が討つことはできない。 主君(藩庁)に敵討ちすることを届け出て、許しを得ないといけない。 返り討ちにあった場合、その敵討ちは許されない。藩が敵討ちを許可したら、幕府にその旨を届けて、町奉公所の敵討帳と言上帳(ごんじょうちょう)に帳付けしてもらうことで、町奉公所から敵討ち許可書である書替(かきかえ)を貰えるというわけ。これで、ようやく敵討ちができるのです。
きちんと手続きしたら恩恵あります敵討ちをするからにはルールに従うしかありません。開始するまでに意外と手間ひまがかかりますが、きちんと手続きを行うことでいいこともあったのです。
敵を探す旅先の諸大名の城下町で敵を見つけたら、いきなり敵討ちを開始するのは得策ではありません。まずは藩役所に訴え出ると、敵の身柄を拘束してくれるだけでなく、敵討ちの場所を設営してもらえるなどのメリットがあったとか。
長ーい時間がかかる壮大なミッションこの敵討ちを全うするために、10年から20年かかることは普通で、中には53年かかってようやく敵討ちできた人もいたようです。53年間、敵討ちをすることが常に頭にあるなんて、しんどいという言葉では表せないほどの壮絶な人生ですよね、きっと。それでも敵討ちできたらいい方なのかもしれません。敵討ちできないまま、命が尽きた人も少なくなかったようです。