秋津壽男“どっち?”の健康学「深夜勤務で不眠症になったらどうする?睡眠導入剤の服用は期限を決めればOK」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「深夜勤務で不眠症になったらどうする?睡眠導入剤の服用は期限を決めればOK」

「この春、再就職で夜勤になりましたが、朝に帰宅してもなかなか寝られません。寝酒をするべきか、睡眠薬に頼るべきか。どちらがいいでしょうか」

 読者の方からこんなご相談をいただきました。今月から夜勤となり、朝10時に寝て夕方5時に起きねばならないそうです。

 サラリーマンからバーテンに転職するケースもあるとおり、誰にでも、期せずして夜勤となる可能性がありますが、寝酒は絶対にやめてください。

 アルコールには一過性の睡眠作用がありますが、一方で覚醒作用もあるため、飲酒後、2~3時間もすると目覚めてしまいます。同様に利尿作用もあり、トイレに行ったあと、目が冴えて寝られなくなります。

 そこで、さらにアルコールに頼るとチェーンドランカーとなり、気がつけばアルコール中毒となる危険性があります。

 正しい寝酒とは、寒い夜、寝つけないのでホットウイスキーを1杯だけ飲み、温かくして寝るもの。寝酒で意識をトローンとさせるのは「眠っている状態」ではないため、病院で薬を処方してもらうべきです。

 睡眠障害には「なかなか寝つけない入眠障害」と「1時間おきに目が覚める中途覚醒」があります。

 この方は入眠障害ですので、飲んだら30分前後で効いて2時間前後で抜ける睡眠導入剤(ハルシオンやマイスリーなど)がベターです。睡眠薬は6~7時間効くのでたっぷり寝れますが、朝起きた時にボワーンとして数時間スッキリしない、などの副作用があります。

「睡眠薬や睡眠導入剤は癖になりそう。飲まないと寝られなくなるのでは?」と怖がる人もいるでしょう。もちろん期限を決めて、休日の前日は飲まずにいてください。多くの場合、早ければ3カ月、遅くとも半年たてば夜勤に慣れるはずです。この間、パフォーマンスを落とすのがつらいなら、環境の変化で高ぶる神経を、最初のうちだけ薬で慣れさせればいいのです。

 この方、夜勤を始めてから数週間しかたっておらず、今は日常生活の変化に体が適応していないだけです。どうしても寝られないなら、医師と相談して睡眠導入剤を処方してもらうことです。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「深夜勤務で不眠症になったらどうする?睡眠導入剤の服用は期限を決めればOK」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 4/20号“どっち?”の健康学秋津壽男睡眠導入剤睡眠カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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