西園寺愛の婚活奮闘記vol.4~バッタリ遭遇した商社の彼は運命の人!?~ (3/3ページ)
笑うな、面白い話をするなら笑うんやない!
とはいえ、ここで不愉快な顔をしてはいけないと思い、西園寺はニコニコと笑顔を保ちながら耐えました。M氏が笑っているせいで話がなかなか進みませんが、きっとすべてを聞けば笑えるはず。
……笑える、はず……。
ぜんぜん笑えへんやん……なにふざけとんねん……しばきまわすぞ……。
M氏の話はまったく面白くありませんでした。1ミリも笑えません。どこに笑える要素があるのでしょうか。記憶に残らないくらいつまらない話です。あえていえば、身内なら笑いそうな、身内ネタ。
身内ネタで、会って2回目の他人が笑うか!お笑いなめるなよ!
それから1時間。幾度となく「面白い話があって」という前置きを聞き、そのたびに面白くない(M氏だけが笑っている)話を聞きました。西園寺は菩薩のような微笑みを浮かべていましたが、心の中は阿修羅像のような顔をしていたはずです。
思えば、お笑いに厳しい関西人に対して「面白い話がある」なんて前置きをするもんじゃあありません。ただでさえ厳しいのに、自らハードルを上げては自滅への道まっしぐら。
……あら?そもそもM氏、生粋の関西人のはず……。もしかしたら「自分の話は面白い」と思い込んでいる痛い関西人なのかも。いやはや、関東人に対してなら通用するかもしれない笑いも、関西人相手ではダメです、修行が足りません!
トークスキルというのはコミュニケーションにおいてとても大切。これが損なわれていると、どれだけ魅力的な男性も冴えない男になってしまいます。合コンの段階でM氏のトークスキルを確認しておけば、こんなことにならなかったはずなのに……と思う西園寺なのでした。
(ライター/西園寺 愛)