【不朽の名作】ハリウッドでもリメイクされた社交ダンスをテーマにした作品『Shall we ダンス?』 (1/2ページ)

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【不朽の名作】ハリウッドでもリメイクされた社交ダンスをテーマにした作品『Shall we ダンス?』

 1996年公開の『Shall we ダンス?』は、老後の趣味などというイメージがまだ強かった社交ダンスをテーマとして扱い、当時話題となった作品だ。2004年には、ハリウッドで、リチャード・ギア主演によるリメイク作品も作られている。

 この作品は中年会社員の杉山正平(役所広司)が、ある日、電車から見える小さなダンス教室の窓から、元プロダンサー・岸川舞(草刈民代)が顔を覗かせていたことをきっかけに、教室に通うことから始まる。

 なお、劇中だと社交ダンスは、女と触れ合う「女好き」がやる恥ずかしいスケベな趣味だと思われている状況となっている。この辺りは、同作と同じく周防正行監督作品である『シコふんじゃった。』によく似ている。この作品でも相撲で裸になるのを極度に恥ずかしいものだと描写していた。そういった勘違いにあふれた、未知の領域に主人公を飛び込ませることで、馴染みの薄い人にもわかりやすくしている。

 しかし同作では、未知の領域に踏み込ませるやり方が、さらに過激な印象だ。中年のおっさんが、ダンス教室の前に入るか否かうろうろと迷っており、まるで風俗店に初めて入る若者のようだ。元々、ダンス教室の講師である舞に目を奪われたことがきっかけということで、その後、妻である昌子(原日出子)にも内緒にしている辺りも、いけないことをしているような印象に拍車をかけている。さらに、不審な動きをしているということで昌子には探偵を雇われ、ダンス教室に通っていると判明しても浮気を疑うという状況だ。

 他にも、同じ会社の社員で、これまた同じくダンス教室に通う、青木富夫(竹中直人)の言葉を通してもダンスをやってることがバレると会社で何を言われるかわからないと語らせる場面なども用意されており、とにかく序盤はダンス自体が恥ずかしいことだと強調させる。そこで仲間達との交流を通して、無趣味で会社と家の往復だけだった主人公が、段々と舞ではなく、ダンスそのものの魅力に気づいていくというのが、この作品の大きな流れだ。

 作品全体として、コメディーノリはかなり意識している。そこは青木演じる竹中と、青木や正平のダンスパートナー・高橋豊子を演じる渡辺えり子の存在が大きいだろう。

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