秋津壽男“どっち?”の健康学「満員電車での猛烈な便意はどうすればいい?御飯を抜くより朝食後にトイレの時間確保を」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「満員電車での猛烈な便意はどうすればいい?御飯を抜くより朝食後にトイレの時間確保を」

 4月に入り、新入社員や新入学の学生の姿が目に入ります。初々しさあふれるスーツ姿の社員や学生服を目にすると、私も若かった頃を思い出します。

 新たな環境を迎え「頑張るぞ!」と気分が高揚している方は多いと思いますが、逆に、思っていた環境と現実が異なることで、落胆している方も少なくないかもしれません。中には無意識に「会社に行きたくない」と思い込み、通勤通学中に便意を感じる方もいるでしょう。そうした症状は「過敏性腸症候群」と呼ばれます。これは神経性の便通異常で、ストレスや不安により下痢を引き起こしたり、強い腹痛のあとに粘液が排泄されたり、おならを過剰に意識するあまり、よけいにおならが出てしまう、などを指します。

 最も困るのが、通勤中にトイレに行きたくなる症状です。この場合、仕事でのストレスが自律神経失調を招き、食事をしてから電車に乗ると、途中で便意を催します。ストレス社会に見られがちな症状ですが、ここで質問です。過敏性腸症候群の場合、朝食はとるべきか、あるいは抜くべきでしょうか。

 人間の腸にはリズムがあります。海外旅行での時差ボケが時に便秘を誘発するとおり、いつものタイミングで排便をしないと出なくなるなど、腸は非常にデリケートです。毎日の習慣は極力変えず、三食きちんと食べて腸がコンスタントに動いている状況を作るのが望ましいので、なるべく朝食は抜かないこと。食事とは午前中の活動源であり、仕事のパフォーマンスに支障を来します。

 いちばんよくないのは、パンをくわえて駅まで走るように、朝食後、排便時間を取らないことです。食べたのに排便せず通勤すると慢性の便秘症にもつながりますので、朝早く食べて排便の時間を取り、きちんと出してから家を出ることです。

 腸とは不思議な臓器で、脳と密接な関係があります。腸が悪いとウツになるとも言われ、逆に脳の感覚によって腸は動くことも止まることもできます。

 例えば、トイレに行きたくなったがテレビがおもしろい時、CMになるまで排便を我慢すると、いつしか便意を忘れてしまいます。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「満員電車での猛烈な便意はどうすればいい?御飯を抜くより朝食後にトイレの時間確保を」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 4/27号過敏性腸症候群“どっち?”の健康学秋津壽男トイレカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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