ビートたけしの金言集「人前で落語を披露するため国立演芸場へ」 (1/2ページ)
家元・立川談志師匠の下での修行時代を、立川談春さんが記されたベストセラー本「赤めだか」のドラマ化に伴い、談志師匠役でドラマの撮影に参加されていた殿が、ドラマのご縁で交流を持った談春さんに、“立川梅春(ばいしゅん)という名で弟子にしてほしい”、さらには“お邪魔でなければ、談春さんの独演会に前座として落語を披露しに行きたい”といったお願いをされたのが、2015年3月頭のことでした。
で、どちらの案件も談春さんから承諾を得た殿は、2015年3月末、国立演芸場にて5日間開催される、談春さん独演会の楽日に客前で落語を披露すべく、人知れず準備に入ったのです。
落語を披露することが決まった殿は、
「あれだな。マクラは昔やってた漫才のネタでもやるか」
「だけど俺がちゃんと着物着て出てったら、客は驚くかな」
等々、とにかく“オイラはワクワクしている”といった感じで、日々のテンションもはっきりと高く、仕事でもプライベートでも“ハイテンションたけちゃん”な状態が続いていました。
ビートたけしであっても、久方ぶりの生の客前“LIVE”は興奮するものなのでしょう。
そんな、本番が待ち遠しくて仕方のない“パドックの中の興奮したサラブレッド”状態であった殿が本番1週間前、“談春さんの独演会は大変人気が高く、チケットがなかなか取れないプレミアな会である”といった情報を小耳に挟むと、今までのハイテンションは一気に鳴りを潜め、
「落語ファンは厳しいからな。俺が行っても大丈夫かな?」
「ちょっとアウェーな感じあるな」
等々、瞬時に“心配たけちゃん”へと変貌を遂げたのでした。あげく、
「まー行くだけ行って、落語やらなくてもいいしな」
と、“実際に落語を披露するかはまだわからない”といったニュアンスを存分に漂わせだしてきたのです。
わたくし、こういった“ある意味当たり前の心配”をしっかりとされる殿の“常識的な感覚”がたまらなく好きだったりします。