わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー:櫻井光輔騎手(川崎競馬)

週刊実話

 デビュー4戦目で初勝利を挙げ、同期で初勝利一番乗りを成し遂げた櫻井光輔(八木正喜厩舎)。生まれ育った川崎で、憧れだった騎手としての第一歩を踏み出した櫻井に聞いた。

 満開の桜の中、ピンクの騎乗服に身を包んだ櫻井が、1着ゴールを決めた。
 「あっという間すぎて、感動にひたる余裕もなかった」という、前日のデビュー戦(900メートル)から数えて4戦目となる4月4日4レース。騎乗馬トキノシシリーは、川崎での実習期間に乗り続けていた馬。いわば相棒だった。
 「思い入れもあったし、よく知っている。自分さえしっかり乗れれば勝てるのではないか、と」
 相棒の能力を信じて、とにかく逃げた。そして、見事にデビュー初勝利。
 「直線で後ろをかなり離していたのに追い過ぎてしまって。馬にかわいそうなことをしました」と振り返るが、うれしい初勝利に笑顔がこぼれる。

 小さい頃から祖母に連れられ、何度も通った川崎競馬場。実家が、川崎競馬場近くでメガネ店を経営していたため、「お客さんに厩舎関係者も多い」と、物心つく頃には騎手になるという夢はほぼ固まっていた。
 あこがれていた職業。もちろん、仕事は大変だが「毎日、新鮮です」と目を輝かせる。厳しい教養センター時代も「どんなに厳しくても、辞めたいと思ったことは一度もなかった」。

 研修を視察に訪れた佐々木竹見元騎手に、「ちょうど八木(正喜)厩舎が新人騎手を探している」という話をもらったのが、現在の厩舎との出会いだった。
 八木厩舎と言えば、多くの管理馬を擁する名門厩舎。
 「運よく所属することができ、多くの方に支えてもらっています」

 勝負服は「桃色」だ。
 「櫻井だからというのもありますし、メンコなど、厩舎もピンクを使うことが多いので、ピンク一色にしました」
 川崎で活躍する騎手には単色の騎乗服が多く、もちろんそれも意識した。その中でも一段と目立つピンクカラー。
 「とにかくアピールしないともったいない」

 今は、具体的な数字を目標には掲げていない。
 「ひたすら乗って、技術を上げることが大切だと思っています」
 目の前の一戦一戦を大切に乗ること。そうすれば「やはり欲しい」と意識する「新人賞」も見えてくるはずだ。
 「いつか川崎競馬を代表できるような騎手になれるよう頑張りたい」

 ド派手なピンクの騎乗服に負けない、偉大な騎手へ。大きな花を咲かせる櫻井の姿を、地元ファンも心待ちにしている。

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