リーダーとは。失敗してもすぐに次へ。京産大が王国の指揮官に学んだこと。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

左からスティーブ・ハンセン監督、AIGジャパンのロバート・ノディン代表取締役社長兼CEO、大西健監督。(撮影/宮原和也)

 世界中の目がそこに向いていた。そりゃそうだ。2年先におこなわれる祭典へ、ここからいっきに加速するのだから。

 5月10日におこなわれた2019年ワールドカップのプールドロー。大事な大事な組み分け抽選会がおこなわれる7時間前、2011年と2015年の大会を続けて制したニュージーランドを率いるスティーブ・ハンセン監督は京都産業大学のグラウンドにいた。これはオールブラックスのグローバルパートナーであるAIGジャパン・ホールディングス株式会社(以下、AIG)が縁を取り持って実現したもの。約90分に渡って開催された「All Blacks Coaching Academy」は同大学のラグビー部員たちにとって刺激のあるものとなった。

 王者にとっては3連覇が懸かっている大会。その対戦相手が決まる数時間前だったものの、指揮官はとてもリラックスしていた。

 第1部は室内にて、部員たちの前で話した。テーマはリーダーシップとメンタル。世界の舞台で頂点に立った人の話に、若者たちは何度も頷いていた。

「よいリーダーになるためには、まずは、自分自身のリーダーになってください。そのためには自分を知ることです。自分のアイデンティティーとはなんでしょう。例えば私なら、ラグビーの指導者であり、夫であり、兄弟がいて友人もいる。いろんなアイデンティティーをもっています。しかし本当はいろんなアイデンティティーを持つのに、ラグビーをやっていると、それだけを考えてしまいがちです。そうなってしまうと試合に負けたとき、すべてを失ってしまったような気になってしまいますよ。人に、自分のアイデンティティーを話してみてください。それを知った人は、いろんな場面であなたを助けてくれることになるでしょう」

 メンタル面では、試合中、頭の中はレッドになったりブルーになっていると話した。

「レッドは、やるべきことが多すぎたりして思考や体がフリーズしてしまう状態です。ブルーだと、頭の中はすっきりし、体が自然に動く。例えば、大きな試合の大事なシーンでボールを落としてしまう。試合中に頭の中がレッドになってしまうことは、いくらでもあるでしょう。

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