【プロ野球】奇跡の大逆転劇で勢いに乗る阪神。リーグ制覇に向け「守り勝つ野球」を徹底できるか!? (1/2ページ)
まさかの大逆転劇だった。
5月6日広島戦、阪神は6回表が終了した時点で9点のビハインド。ワンサイドゲームだと誰もが疑わなかったなかで、奇跡は起こった。
「決してあきらめてはいけない。野球はゲームセットまで何が起こるかわからない」と言われている。
しかし、水を差すようだが、この試合で阪神首脳陣は6点ビハインドの4回終了時点で4番の福留孝介を交代させている。
要するに次の試合に備えたのだ。
ましてや、続く5回表に3点を追加され、9対0となったとあれば、あきらめなかったといえば嘘になる。
ところが、そんな敗戦ムードとは裏腹に選手たちは5回裏に1点、そして6回に一挙7点をもぎとり、9対8と1点差にまで詰め寄った。
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■粗い野球と広島・菊池の不在が生んだ阪神の逆転劇
この日の6回裏のビッグイニングには伏線がある。
前日の試合でも7回裏に一挙5点を奪い、見事な逆転劇を演じていたのだ。選手たちはこの逆転劇で自信をつけ、3連戦の2戦目にあたる試合に臨んでいた。
広島は、開幕から横綱相撲で他を寄せつけなかった。打線の破壊力、足を使って相手をかく乱する攻撃は、昨シーズンのそれを上回っていた。
ただ、ここにきて大味な試合が目立ち、四死球で自滅するなど、投手陣が踏ん張れない試合が続いていた。この日も、6回裏に阪神が挙げた7点には5つの四死球が絡んだ。
また、甲子園3連戦では、名手・菊池亮介の故障リタイアが響き、広島の守備陣は精彩を欠いていた。
今回の大逆転劇の背景には、阪神の勢いだけではなく、リズムを崩した広島の粗い野球と菊池の不在もあったのだ。