米軍「横田基地」北朝鮮のせいで返還遠のく

まいじつ

リーボン / PIXTA(ピクスタ)
リーボン / PIXTA(ピクスタ)

東京都福生市など、5市1町にまたがる在日米軍横田基地に、対北朝鮮情勢をにらんでアメリカ空軍の無人偵察機『グローバルホーク』1機が、5月1日夜に飛来した。10月末まで暫定配備され、北朝鮮の弾道ミサイルや核施設などを監視し、情報収集するのが目的だ。

「横田基地には計5機が配備される予定で、関係整備士ら約110人が駐留します。過去に同基地については、石原慎太郎元都知事が『米軍横田基地は占領軍駐留以降、アメリカに独占され“占拠”されている。返還を要求する』という公約を掲げたことがあります。この発言を伏線に、アメリカのトランプ大統領が大統領選挙に際し、日本への基地費用負担増が提案されたため、『日本が負担増に応じる分、日本にとってメリットがある同基地返還もあり得る』との希望的観測が流れたのです」(政治ジャーナリスト)

実際に、横田基地の返還や、軍民共有が実現すれば、それは“金のなる木”だ。

横田空域にある「ビジネスチャンス」

「首都圏上空に、巨大な“見えない空の壁”があるため、そこを飛び越えたり、迂回したりしなければならず、戦後70年にわたり、民間航空機は大きなコストを支払わされてきました。西日本から東京都内の羽田空港に向かう飛行機は、そのまま一直線に着陸せず、千葉方面から回り込んで高度を下げます。羽田から西へ向かう場合も、わざわざ東京湾上を旋回してから向かうなど、遠回りを強いられているのです。これが横田空域の弊害です」(航空評論家)

横田空域は、戦後に連合軍が日本の空の管制権を掌握したあと、日米地位協定に基づいて、そのままアメリカ軍による管理状態が継続されたままだ。それが民間も使えるようになるのであれば、どんなメリットが生まれるのか。

「まず旅行などで特需が起きるでしょう。中小のLCC(格安航空会社)にビジネスチャンスが広がります。横田空域の返還まで話が進むならば、羽田から西に発つ航空機の飛行時間や、燃料の削減につながり、航空運賃が下げられるかもしれません。また現在、羽田には発着回数などの制限があり、ビジネスジェットを十分に受け入れることができていません。そんな事情があるため、横田基地が開放されれば、個人や企業が私的に利用するビジネス機の就航が増加するでしょう」(株式アナリスト)

北朝鮮周辺が緊張状態にならなければ、トランプ米大統領を“ビジネス”という文言で口説き落とせたかもしれない。

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リーボン / PIXTA(ピクスタ)

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