【日本人初】インディ500を制した男、佐藤琢磨ってどんなドライバー? (4/4ページ)

イキなクルマで

■ついに琢磨が頂点へ、インディ500を振り返る

そんな琢磨が制した今年のインディ500とはどんなレースだったのか、あらためて振り返ってみましょう。5月28日に行われた決勝、ポールポジションを獲得したのはスコット・ディクソンでした。しかしセッティングは万全でなかったようで、序盤のレースの主導権はAAのアレキサンダー・ロッシが握ります。そして電撃参戦で話題になったフェルナンド・アロンソもこれに続き、現役F1ドライバーの底力を見せつけました。いっぽう4番手スタートの琢磨はピットでのミスなどが響き、一時17位まで後退。しかし、ここからじわじわと追い上げていきます。

今年のインディ500は、昨シーズンからエアロパーツの開発が凍結されたこともあってか、接近戦がとても多いレースでした。クラッシュも多発、ディクソンは単独クラッシュしたジェイ・ハワードと接触、リタイアとなります。またウィル・パワー、ジェイムズ・ヒンチクリフ、オリオール・セルビア、ジョセフ・ニューガーデンがウォールの餌食となり、相次いでリタイア。荒れたレース展開となります。

アロンソがエンジントラブルでマシンを降りる頃には、レースは終盤戦に。トップ争いはマックス・チルトン、エド・ジョーンズ、エリオ・カストロネベス、そして琢磨に絞り込まれました。そして195周目、ついに琢磨はカストロネベスを抜き去ってトップに躍り出ます。こうして想像を絶する超接近戦を制した琢磨は、最も早くブリックヤードにたどり着きました。2位のカストロネベスとの差は、わずか0.2011秒。こうして琢磨は、日本人としては初の歴史的快挙を成し遂げたのです。

■日本には、TAKUMAがいる。どんどん後に続いてほしい

ゴール後、琢磨はこのような言葉を残しています。

「ありがとう。ずっと夢を追いかけて、それが今日叶いました。信じることって本当に大切。たくさんの応援を本当にありがとう!!心から感謝しています」

音速の貴公子に憧れた少年が夢見た、スピードの世界。その夢を信じて諦めず、自分のものにするために遮二無二突き進んでいったからこそ、この栄冠を勝ち取ることができたのだと思います。日本のモータスポーツファンとしては今後の琢磨の活躍が楽しみなのと同時に、これに続く若い世代の台頭に期待したいところです。多くの人に夢を与えたであろう今回の彼の勝利、これに刺激されてぜひ若者が後にどんどん続いていってほしいですね。

佐藤琢磨公式LINEブログ

【関連項目】

世界三大レース特集:すべては最速の称号のために。インディ500【3か月連続連載企画】

「Veni,Vidi,Vici(来た、見た、勝った)」、F1黎明期のホンダは世界とどう戦ったのか?

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