古文書から紐解く巨大地震発生デー 第4弾 (4/5ページ)

週刊実話

その一部が動いたためにクローズアップされているが、その元をたどれば太平洋プレートが押してくるために起きたと考えられる。年間10センチ程度ですが、確実に歪みは溜まっているはずです。また、中央構造線は、四国あたりで私が“日本列島断層”と名付けた能登半島へと続く断層帯と重なっており、それが阪神・淡路大震災でも動いたと考えています」
 木村氏は熊本地震の影響が中央構造線の東部にまで及ぶことはないと見ているが、一方で滋賀県の琵琶湖周辺には地震が発生し得る場所にもかかわらず、長期間起きていない“空白域”があるため、「M8クラス以下ですが、大地震が起こる可能性があるかに見える」としている。

 また、多くの専門家が「日本でもっとも危険な活断層」と口を揃えるのが、大阪の上町断層帯だ。全長42キロに及ぶこの活断層は、大阪府豊中市から大阪市の中心部を貫いて岸和田市にまで至り、都市の真下に存在する世界でも稀有の活断層だという。
 「上町断層の幅は約300メートルに及ぶ。もし動いたとすれば、大阪の中心部に落差2メートルの崖が出現するというシミュレーション結果も出ており、淀川には高さ2メートルの滝が出現して堤防は決壊。結果、あっという間に大阪の街に流れ込み、地下鉄なども一瞬にして濁流に飲み込まれるとされます」(前出・サイエンスライター)

 '07年に策定された中央防災会議の想定被害報告では、上町断層帯による地震が発生した場合はM7.6規模の地震が発生し、死者4万2000人、建物の全が壊97万棟と予想している。大阪は比較的地震が少ないと言えるが、市内を貫く活断層が動けば被害は阪神・淡路大震災以上の甚大なものになるという。
 しかし、上町断層についても、地震調査研究推進本部は「M7.5程度の直下型地震を30年以内に2〜3%の可能性で引き起こす」と、やはり比較的低い確率を予測している。
 「南海トラフ巨大地震が発生すると、大阪は地震動による被害はともかく、津波による被害はかなり大きいものとなる。しかも、市内には活断層が走っている。熊本地震を引き起こした布田川活断層帯での地震発生確率も、『30年以内で10%以下』と、低いものでした。

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