オールラウンダーに進化中。近鉄・田淵慎理が描く上昇曲線。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 大好きなラグビーで自分を表現できることが、いま最高に楽しい。

 近鉄ライナーズ3年目で同志社大学出身のFL/NO8田淵慎理が、7月14日、北海道・美幌町柏ヶ丘公園陸上競技場でおこなわれたNECグリーンロケッツとの練習試合に途中出場。

 約10か月にわたるリハビリ期間を経て、北海道での合宿中に実戦復帰した。

 同じく合宿中におこなわれたクボタスピアーズとの練習試合では、先発FLとして80分間プレー。

「クボタ戦はフル出場だったんですよ」

 そう語る24歳は嬉しくてたまらない様子だった。

 昨年のトップリーグ開幕前、2年目の田淵は例年以上に意気込んでいた。

「日本代表の監督が変わると聞いていたので、トップリーグでアピールしようと思っていました。『いったろう』と」

 アクシデントに見舞われたのは、第2節コカ・コーラレッドスパークス戦の終盤。ステップを踏んださいに「ボキッ」という音を聞いたが、骨折ではないと直感した。左ひざ前十字靭帯の断裂だった。

 奈良の桜井ラグビースクールで楕円球に出会い、天理高校、同志社大と進んだが、これほど大きな怪我は人生初。不安に襲われた。

「これまで10か月もかかるような怪我はありませんでした。グラウンドで練習を見守ることが多かったんですけど、『戻れるんかな』という思いがありました」

 しかし人生初の長期リハビリが、進化の転機になった。

 近鉄の飯田力チーフメディカルトレーナーの存在が大きかった。

「リハビリ中、飯田さんに身体の使い方を教えてもらって、プレーが変わりました。ひざを痛めないようなステップも教えてもらい、それが自分に合っていて、吸収できました。走り方も変わって、前よりフィットネスでも走れるようになりました。怪我して悪いことばかりじゃないなと」

 怪我のきっかけともなったステップの踏み方も改良、ランニングフォームも効率的になりフィットネスが向上した。

 身体と向き合う時間があったからこその収穫だった。

 

 休日をラグビー観戦に充てるほどのラグビー好き。リハビリ中は、大好きな海外ラグビーを満喫することもできた。

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