天才テリー伊藤対談「谷 隼人」(4)一味違う健さんも観たかったんです (1/2ページ)

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天才テリー伊藤対談「谷 隼人」(4)一味違う健さんも観たかったんです

テリー もう一つ、僕が健さんに対して不満があったのは、以前、松方弘樹さんから「健さんは長ゼリフが大嫌いだった」と聞いたことがあるんですよ。共演して、健さんに長ゼリフがあると「お前、ここからここまで(代わりに)言ってくれ」って松方さん、よく言われたって。

 それが本当かどうかはわかりませんけど、健さんは長ゼリフで魅せる人じゃないですからね。

テリー それこそが健さんの間違いだった、と思うんですけどね。

 どういうことですか?

テリー 僕は「東映チャンネル」というCS放送で、健さんの映画をよく観ているんですけど、若い頃には菅原文太さんの人気作「トラック野郎」のもとになったような映画も出ているじゃないですか。

 ありました。よくしゃべる役で、おもしろかったですよね。

テリー そうなんですよ。でもね、実は健さんの晩年の作品、あまり好きじゃないんです。それは、観ていて健さんが自分自身を“高倉健”のイメージの中に封じ込めている感じがするからなんです。もっといろんなイメージの健さんが観たかった。

 テリーさんは力があるディレクターだからそう思うんでしょうけど、健さんはあまりしゃべらないほうがいいですよ。

テリー 谷さんの言ってることもわかりますよ。でも、それはあくまで“健さんが選んだキャラクター像”じゃないですか。健さんは恐らく、完成した作品を自分で想像できるものしか出演しなかったんじゃないですか。それって、すごくもったいない話ですよ。僕はハリウッドの監督に、健さんをいろんなイメージで撮ってほしかったなァ。

 確かに「ブラック・レイン」の時は、少しはじけていたかもね。でもきっと、現場のスタッフやファンを含めての“全員が求める高倉健”に対して責任を持ち続けた形が、あの姿だったんですよ。

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