ビートたけしの金言集「映画祭も呼ばれるうちが花だからな」 (1/2ページ)
「殿、ベネチア映画祭、おめでとうございます!」
8月末、「第74回ベネチア映画祭」にて、映画祭の最後を飾る、クロージング作品に、日本では10月7日から公開される「アウトレイジ・最終章」が選ばれたニュースを聴いた翌日。先の言葉を殿にあてると、
「なんか、また選ばれたみてーだな‥‥」
と、まずは軽く、“いつものことだから”といった反応を示すと、続けて、
「映画祭も呼ばれるうちが花だからな。まーありがたいこった」
と、実に殿らしい感想を漏らしたのです。
思えばわたくし、殿の弟子になってからこの20年あまりで、「殿、ベネチア映画祭、おめでとうございます!」といったセリフを、間違いなく3回は言っています。さらに、ベネチア映画祭と何かと比較される、「カンヌ映画祭、おめでとうございます」といったセリフも、2回は言っています。
改めて、いかに北野映画が歴史あるヨーロッパ三大映画祭(もう一つは「ベルリン映画祭」)の常連であるかがよくわかります。
ちなみに、映画祭ではありませんが、「殿、このたびの勲章、おめでとうございます!」そんなセリフも、3回は言っています。
“殿のヨーロッパからの勲章もらいまくりっぷり”はさておき、映画祭と殿です。
5年程前、「アウトレイジ・ビヨンド」が、ベネチア映画祭の正式コンペに出品された際も、やはり賛辞を述べたのですが、この時も殿は、
「なんか、また呼ばれたみてーだな。ただちょっと、スケジュールが詰まってるから、(現地へ)行けるかわかんねーんだよ」
と、例によって冷静な感想を漏らすと、続けて、
「もし行くことになったら、お前も来るか?」
と、さらりと夢のような提案をこちらに放り込んできたのです。もちろん、二つ返事で快諾したわたくしは、その年の夏、「アウトレイジ ビヨンド」に、何一つ関わっていないにもかかわらず、殿とベネチアに同行し、気がつけばドサクサに紛れ、レッドカーペットを歩いたのでした(その話はまた別の機会に)。
で、今から遡ること9年前の08年。