【プロ野球】ブレイク中の上林誠知(ソフトバンク)。仙台育英時代の伝説的曲打ち&ほろ苦い「最後の夏」 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■「最後」という魔物にやられた3年の夏

 3年の夏の甲子園、上林は大不振。逆に苦い記憶を残してしまった。

 2年の夏は3試合で11打数5安打、3年の春も3試合で9打数3安打と結果を残しており、2年の秋の明治神宮大会でもチームを優勝に導く活躍。しかし、最後の夏に2試合で9打数1安打とブレーキになってしまった。

 走攻守揃った強豪チームの中心選手として常に日の当たる道を通り、ドラフトの有力候補に挙げられてきた上林だったが、ラストチャンスというプレッシャーには勝てなかったのか。

 ただ、それも人間味という部分ではとても魅力的に映る。

■広々とした練習場でも収まらない飛距離

 超高校級の打者は練習でも逸話を作るものだが、上林も例に漏れず。高校通算では23本塁打。自身では「ホームランバッターではない」と自覚しているが、飛ばす力はハンパない。

 仙台育英のグラウンドは両翼100メートル、中堅125メートル。高さ10メートルのバックスクリーンも備えているのだが、上林はそれを越す打球を放っていた。

 そのため上林の打撃練習後には、グラウンド外の道路にボールがゴロゴロしと転がっていたという。

 あるとき部室まで飛んだボールの飛距離を図ったところ、170メートルクラスだったことが判明。フリー打撃とはいえ、さぞかし気持ちよかったことだろう。長年、仙台育英を指揮する佐々木順一朗監督は「(ここまで飛ばしたのは)過去に上林だけ」と語っている。

■仙台から福岡を経由して……世界へ!

 西武ファンにとっては返す返す「逃した魚は大きい」と感じるが、ライバル球団に入団しても地元出身選手だけに上林の動向は気になるものだ。

 3年夏の甲子園後、上林は高校生日本代表チームの一員として第26回AAA世界野球選手権大会にも出場した。2020年の東京五輪、2021年のWBCで再び日の丸を背負う選手へと成長してほしい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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