韓国で慰安婦バスが出発進行?北朝鮮情勢をよそに”反日ボケ”の異様さ
「(米国の動きによっては)先制的報復作戦を開始する。(略)ソウルなどを<火の海>にし、太平洋作戦戦域の米軍基地を制圧する全面攻撃につながる」(朝鮮人民軍総参謀本部)
国営朝鮮中央通信が<火星12号>(注1)による米領グアム島周辺への包囲射撃を予告したのに続いて、韓国や日本へも攻撃を加えるという北朝鮮の宣言が出た。
グアム島は、アンダーセン空軍基地を擁する米国の軍事戦略上の要衝。黙って聞いているわけが無い。
「(北朝鮮による挑発が続けば)世界がこれまで見たことの無いような炎と怒りに直面することになる」(トランプ米大統領)
ボスのお馴染みの物言い(注2)に続いて、
「金正恩がソウルを爆撃すれば、米国の核反撃によって15分で北朝鮮のすべての都市が消滅する」(マキナニー将軍=米太平洋空軍司令官)
核攻撃すら検討されるほど緊張度が増した。さすがに北朝鮮もビビったか、「もう少し米国の出方を見てやる」とグアム攻撃自体はトーンダウン。しかし核搭載へ北朝鮮製ICBM(大陸間弾道弾)の精度は日ましに上がっている。いま目の前の戦争が回避されたとしても、東アジア危機は深まるばかりなのだ。
——そんな状況下で「加計が〜」などと、証拠もなく、悲しくなるほど小さい話を延々とやっている野党とメディアに対し、前回の本欄で「平和ボケも大概にしろ」と批判させてもらった。
ただ、そんな<平和ボケ>の日本より、さらに理解しがたい国がある。皆さんの予想通り、韓国だ。
■国が亡びても反日を優先
言うまでもなく北朝鮮と休戦中(注3)で、最前線で対峙しているのが韓国。今回も「ソウルを火の海にする」と、攻撃対象として名指しされている。そもそもがテンションの高い民族性だけに、北朝鮮への恐怖と怒りで緊迫感が頂点に達していると思いきや……届いたのは、こんなニュース(注4)。
<韓国・ソウル市の中心部と北部を結ぶ路線バスが、慰安婦像を乗せて運行を始めた。(略)同路線を走る5台の座席に強化プラスチック製の慰安婦像を固定。ソウル中心の日本大使館関連施設近くを通過する際には、慰安婦映画の音声を流す。(略)この路線はロッテ百貨店や南大門市場など、多くの日本人観光客が訪れる場所を通る>
開いた口がふさがらない。完全に解決した(注5)慰安婦問題を蒸し返す動きの一つだが、よりによって戦火が近づいている時にやることか? しかも新着の慰安婦ニュースは、まだまだある。
<元慰安婦の吉元玉(キル・ウォノク)さんが、プロ野球の始球式に登場。見事な投球を見せた。ちなみに吉さんは歌手デビューも果たしている>
<ソウルの中心部の広場で、手の平サイズの慰安婦像500体が展示された>
慰安婦(像)がアイドル化、フィギュア化して、もはや何のために作ったのかも分からない。そのうち慰安婦印のキムチが売られ、慰安婦が歌い踊るフェスティバルでも始まりそうな勢いだ。
「韓国は北朝鮮の挑発に慣れっこ。何を言われても、<またか>と流して危機感を覚える人が少ない。しかし冷静に考えれば、危機のレベルが以前とは違う。それでも北朝鮮批判より日本批判が圧倒的に多いのは、光復節(注6)前後だったとはいえ、さすがに異様な感じです」(韓国通ジャーナリスト)
近づく戦争の前に日本が平和ボケなら、韓国は<反日ボケ>だ。
(注1)火星12号…北朝鮮軍の中距離弾道ミサイル。
(注2)物言い…この発言は北朝鮮の<グアム攻撃予告>前日だが、グアムへの脅しを聞いたトランプ大統領は、「言葉が優しすぎたな」と反省。北朝鮮本土への先制攻撃を匂わせた。
(注3)休戦中…1953年7月に朝鮮戦争は休戦に入ったが、いまだに終戦していない。
(注4)こんなニュース…産経新聞より。
(注5)完全に解決…いわゆる従軍慰安婦問題は、2015年12月の日韓合意で、最終的かつ不可逆的に解決した。しかし韓国は、この時の取り決めを全く守っていない。
(注6)光復節…朝鮮の大日本帝国からの独立を祝う韓国の祝日。
著者プロフィール
コンテンツプロデューサー
田中ねぃ
東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ