芸能界の”奴隷契約”と置屋事業対策に進む公正取引委員会|やまもといちろうコラム (1/3ページ)

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Photo by Foto-Rabe(写真はイメージです)
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 山本一郎(やまもといちろう)です。よく製作委員会でコンテンツ投資をやるにあたって、日米と欧州、中国その他の契約の違いに直面することがあるわけなんですが、先日、典型的な事例が日本で勃発し、『週刊文春』(文藝春秋)が正面から取り上げていたので面白いなと思ったわけです。

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 ローラ(27)側とも事務所側とも『文春』とも本件では無関係な私が言うのも何ですが、この問題はさもありなんという部分がありまして、以前も能年玲奈(のん・24)やベッキー(33)など芸能人の結婚・不倫騒動などでもさまざま問題となっている「事務所と芸能人の関係」の悩ましいところに光が当たるものであります。

 その先鞭で言うならば、先般大変な騒ぎとなっていたAV女優の出演強要問題でして、これはAV女優が納得ずくで楽しく出演していたという証言が多数現場から上がったとしても保護の対象となるということが明確にされつつあります。つまり、本人が性的なコンテンツを思い返すと動悸が激しくなるなどの精神的障害、あるいは時間が経って本人が結婚して子供でもできたときにご主人やご子息に「お前の母ちゃんAV女優」という言われ方をしたときに「あれは過ちであった。もう私のコンテンツを閲覧できないようにしてほしい」と訴え出られたら業者はそのように対応しなければならない、という方向にシフトしていくわけであります。

 ここで、芸能事務所とタレントの関係では、かねてから話題になっていたように「タレントや女優などの売り出しコストは基本的に芸能事務所側の持ち出しで、信頼関係がタレントと築けなければ事業として成り立たない」というビジネス上の問題と、同じく「出演作品やイメージタレントでの起用などで、タレントや俳優本人の不始末が理由で降板させられたりコンテンツがお蔵入り・再製作になるなどしたときの補償はタレントや俳優の所属する事務所が代行して行う」という与信の問題とがあります。言い換えれば、芸能界も不透明な部分は残しつつも産業としては成熟しており、そこでタレントや俳優と事務所の力関係を考えたときに、どこが適切な線引かは商慣行と一般法規とを見比べながら「良い塩梅」で当事者同士が話し合って決めるしかないという部分はあるのです。

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