水を売る?夏限定、江戸時代のおもしろ商売「冷や水売り」を詳しく解説 (1/2ページ)

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水を売る?夏限定、江戸時代のおもしろ商売「冷や水売り」を詳しく解説

江戸時代、夏の間だけ多く出回った「冷や水売り」。彼らは白玉入りの冷たくて甘い水を売り歩きました。井戸で汲んだ冷たい水をたっぷり入れた桶やら荷を担ぎ町の辻々に現れては、真鍮製や錫製の椀に冷や水を汲んで、1杯4文で売ってくれるのです。

楊洲周延「時代かゞみ 弘化之頃(部分)」国立国会図書館蔵

楊洲周延が描いた冷や水売りの一コマ、「あいよ、冷や水1杯!」「わーい!」・・・なんていう水売りと坊やのやりとりが聞こえてきそうです。

冷や水売りの商売は元禄以前からあり、相場は4文ですが「お砂糖増し」を注文すると8文、「増し増し」は12文など、特注オーダーには柔軟に対応してくれたようです。まるで現代のラーメンみたいですね。椀が金属製なのは陶器よりも冷たく感じるからで、日本人らしいこまやかな心遣いがうかがえます。

「水売りの 一つか二つ 錫茶碗」

という川柳にあるように錫茶碗は数が少なく、お砂糖増しを注文してくれた客にだけ出す、ちょっと特別な器だったようです。

「ひゃっこい、ひゃっこい」というのが彼らの売り文句。水道も氷もなく暑さでぐったりしているところに、この「ひゃっこい」が聞こえてくれば、皆こぞって表に買いに出て、日陰でぐいっと飲み干したことでしょう。

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