私は「地獄のタイ刑務所」からこうして生還した!(3)刑務所に収容されていた囚人の罪状

アサ芸プラス

私は「地獄のタイ刑務所」からこうして生還した!(3)刑務所に収容されていた囚人の罪状

 収容されている囚人の罪状は多種多彩で、

「殺人罪で服役していた囚人の中には金で殺しを請け負うプロの殺し屋もいて、彼は保釈された2カ月後、再び事件を起こして舞い戻ったと聞いています。また、友達になったロシア人は銀行強盗。警備員を殺害して終身刑を受けていました」

 他にも、教え子に性的暴行をした罪で30年の刑を受けた元中学教師。自分の寺で児童養護施設の子供を何人も性的な暴力をふるったという僧侶もいたというが、

「この男の刑期は30年ほどでしたが、それでも信者がいるらしく、しょっちゅうバスで面会に来ていて。信者から差し入れがあり、面会が終わると刑務官がタカリに来ていましたね」

 タイでは不敬罪で服役する囚人も多い。

「王室を非常に大切にしているため、その権威を傷つける行為には重い罰が与えられます。服役していたのは王族の水着写真を外部に流した男で、毎日、空き地に穴を掘らされ、それを埋め直すという作業を繰り返させられていました。完全に嫌がらせです。不敬罪は1件で最高15年なので、きっと2、3件の罪を抱えていたのでしょう」

 そして服役者の半分が終身刑以上のこの刑務所ではやりたい放題で、規律などあってないに等しかった。

 ロッカールームには常設のギャンブル場まで設置されており、サッカーやタイボクシングに始まり、サイコロ賭博、麻雀、トランプ、宝くじのナンバーズなど、何でもありだ。金の貸し借りを巡るトラブルも多く、

「毎日どこかでケンカが始まりますが、金さえ払えば料理包丁やナイフも買えるため、小競り合いがすぐ殺傷ざたになる。韓国人受刑者同士でケンカになり、一人がナイフで相手の喉を切り裂いても、囚人たちは大して騒がなかった。それぐらい日常茶飯事でした」

 所内では麻薬が普通に売買され、おおっぴらにヘロインを吸引するジャンキーも多かったという。

「麻薬を密売している囚人がモメ事を起こして刑務官に連れていかれたことがありましたが、事情聴取の最中、密売グループの仲間数十人が刑務官の事務所を襲撃したんですね。で、事務所に立てこもり、最後は刑務官に制圧されて騒動がようやく収まった」

 さらに、タイといえば、有名なのがニューハーフ。刑務所内にも多かった。

「“彼女たち”は5番ビルの中心に収容されていたんですが、新年やソンクラン(旧正月)になると、元歌手やダンサーの囚人が一座を組んで各収容所を巡業して回るんです。バンクワンでは金さえ持っていれば何でもできるので、ニューハーフを囲っている金持ちの囚人もいた。その男は雑居房の一部をビニールシートで仕切り、個室にして暮らしていました」

 当然のごとく刑務所内で売春するレディボーイも多く、彼らが「ちょんの間」として使っていたのがゴミを置く倉庫で、

「聞いたところ、1発500バーツ(1500円)で尻をレンタルしていたという話です(笑)」

 まさにやりたい放題の“無法状態”だった──。

「私は「地獄のタイ刑務所」からこうして生還した!(3)刑務所に収容されていた囚人の罪状」のページです。デイリーニュースオンラインは、求刑死刑 タイ・重罪犯専用刑務所から生還した男バンクワン刑務所週刊アサヒ芸能 2017年 9/7号刑務所社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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