血液1滴でがん13種類診断 死亡率を劇的に減らす次世代の早期発見検査 (1/2ページ)

週刊実話

 まさに驚異的な技術である。1滴の血液から何と、13種類のがんの有無が同時に診断できる検査法を、国立がん研究センターなどの医療チームが開発したのだ。
 この検査法は、がんが分泌する微小な物質を検出する方法で、「腫瘍マーカー」を使う現在の血液検査と比べ発見率が極めて高く、ごく初期のがんも見つけられるというのが特長だという。その13種類は、胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫だ。
 同チームは今後、がん患者らを対象とした臨床研究を進め、数年以内に国の承認を得る方針だといい、センターの落谷孝広・分子細胞治療研究分野長は「患者の体への負担が少ない比較的安価な検査になる。早期発見できれば、より効果的な治療ができ、医療費削減にもつながる」と話している。気になるその検査費用は、2万円程度になる見込みだ。

 日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が死亡するというがんは、早く発見すればするほど、その後の生存率が高くなることは周知の通り。胃がんの場合、ステージIで発見できれば5年相対生存率は97.8%。IIになると66.7%、IIIでは半分以下の49.1%にまで落ち込んでしまう。今回開発された方法は、検査という壁を低くし、早期発見により死亡率を劇的に減らす可能性を秘めているのだ。
 「従来からの腫瘍マーカー検査は、主にがん細胞が死ぬ時に出るタンパク質を検出するもので、ある程度がんが進行しないと発見が難しいのです。しかも、正確性にも問題がある。ところが、次世代型とも言えるこの検査法は、初期のがんでも分かるため、その後の治療方法の選択肢も格段に広がる。もし実用化されれば、もはやがんは死の病ではなくなりますよ」(都内大学病院内科医)

 山梨大学医学部名誉教授の田村康二氏も、こう驚きを隠せない。
 「そもそも、がんの発生原因もいまだ不明なんです。それなのに、1滴の血液で13種類のがんが分かるなんて夢物語じゃないですか。もし本当だったら、私だって診て欲しい。ただし、この手の話は、まず学会で正式に認められてからですね」

 開発したチームは、がんが血中に分泌する「マイクロRNA」と呼ばれる物質に着目した。

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