真木よう子は誰に騙された?”アート”を餌にタレントを籠絡するサブカル仕掛人

デイリーニュースオンライン

Photo by Lara Cores(写真はイメージです)
Photo by Lara Cores(写真はイメージです)

 真木よう子(34)が29日に予定されていた『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)の撮影を欠席したことを、31日付けのスポーツ各紙が一斉に報じた。視聴率は芳しくなくとも、民放プライムタイムのドラマで主演女優がドタキャンするなどあり得ない話である。真木は同じ日に一連のコミケ騒動を受けた為か、Twitterでもアカウントを削除するという事態にも陥っている。

 真木の身に起こった何が起こったか、経緯については前回の記事を参考にしていただくとして、今回は真木をそこまで巻き込んだと目される元太田出版・北尾修一氏がどんな人物なのかを掘り下げていきたい。

■「コミケならばオタクを使える(利用できる)」と言った黒幕

「真木はコミケもクラウドファウンディングもよく分かっていなかった。彼女にコミケの存在を教えたのはカメラマンの鈴木心さんです。『週刊文春』の7月6日号で真木のグラビアを撮った鈴木さんは、彼女から思ったようなキワドい写真が掲載できない不自由を相談された。鈴木さんは14年からコミケで写真撮影の出展をしている。だから発表の一案として、コミケの存在を教えました」(週刊誌記者)

 そして、2人が相談を持ち込んだのが太田出版の北尾氏だったという。

「鈴木さんと北尾氏は同社の『Quick Japan』で前田敦子をはじめ何度か仕事をしている顔なじみ。真木も北尾氏が関わる雑誌『hon-nin』vol.7で特集が組まれるなどしていた。そこで、北尾氏いわく”太田出版の北尾”ではなく”個人として”仕事の相談をされた彼はコミケと『CAMPFIRE』を結びつけるビジネスモデルを思いついたようです」(同記者)

 別の取材元によれば北尾氏は「コミケならばオタクを使える(利用できる)」とまで周囲に吹聴していたという。真木はマンガ好きだからオタクにもウケるはずというのは、安直といえば安直な発想である。真木と鈴木氏は逆にもっと小さなバジェット(予算)で、最悪手弁当でも構わない規模を考えていたようだ。実際、鈴木氏が行っているコミケでの出展は「1人1000円でコミケ参加者のコスプレ姿を撮る」というそれなりに良心的なものであった。だが、北尾氏の参画で話は徐々に商売っけを帯びていくことになる。

■「予算3000万円の提案は虚偽情報!」だが、正確には2700万だった?

「北尾氏がこの”企画”を持ち込んだ先は家入一真氏が率いる『CAMPFIRE』。真木本人と思われるTwitterのDMによれば「キャンプファイアが当初出してきた目標金額は、三千万でした」とあります。いくら「A5正寸、320 ページ、オールカラー」とはいえムチャな設定です。この案はさすがに真木が反対して却下。それでも800万円という破格の予算になりました」(同記者)

 北尾氏は9月1日に出した釈明PDFの中で「当初の目標金額は3000 万円」を真木よう子に持ちかけたのは自分ではないと否定している。CAMPFIREが参考資料として提案したのが2700万円であり、強制でもない、と。だが、CAMPFIREを真木に紹介したのが北尾氏であり、なおかつ、あらかじめ北尾氏がCAMPFIRE側に企画を説明していることを考慮すると、北尾氏がCAMPFIREに3000万円規模の目算を話していたのは明らかである。別のICT関連に詳しい関係者はいう。

「CAMPFIRE側も思ったほど事業が伸びないので、家入氏は芸能人企画とPR TIMESなど企業広報パッケージとセットで拡大しようとしていた。そこに北尾氏が自分の人脈を使って芸能人企画を作り出すビジネスモデルを提案した。なんでも9月1日からCAMPFIREで北尾が顧問をやることになっていたとも。その手土産が真木よう子だったようです」

 北尾氏が真木よう子の写真集の先に見たもの、それは「新たな芸能人ビジネス」だったと同関係者はいう。だが、北尾氏はいったいどのように、真木を始めとする芸能人と人脈を作っていったのだろう。

■「アート」を餌にタレントを籠絡するサブカルチャー仕掛人?

「北尾氏は簡単にいえば「”表現者”という甘言を餌にアート志向の強いタレントを籠絡する業界ゴロ」です」と、説明するのは音楽誌の編集者。同氏によると真木もそのカモとなった一人だというが、どういうことなのか。

「北尾が発行人を務める『Quick Japan』はいわゆるサブカルチャー系雑誌。”サブカル”もいまや死語ですが、独自の周波数を発しているため、ある特定の層には支持されています。北尾氏の手法はとにかく対象の”アーティスト性”を持ち上げること。たとえば、のんこと能年玲奈(24)が今年出版した本はタイトルからして『創作あーちすと NON』(太田出版)でした。ちなみにのんには、CAMPFIREと家入氏が肩入れして、音楽(バンド)やアーティスト活動に挑戦させる資金を出しています」

 とにかく「あなたはアーティストだから」と相手を持ち上げて、個人的な仕事関係を作る。それがサブカルチャー仕掛人の実像だったのか。

「今回の真木も、北尾氏が”自由な表現”などと聞こえのいい言葉でアート心をくすぐり、事務所を抜きにして、脱がせようとしたという話もある。真木はアートのため、そして彼女のマンガ好きを利用して”コミケでファンと近づける”と、ほとんどただ同然のギャラ提示だったとも。北尾氏は仕事はできるという評価だが、出版での人脈を使って事務所をスルーして芸能人に”直営業”することから、マネジメント面でトラブルになりやすい。今回も真木の事務所(フライングボックス)は『写真集を自費出版をする』程度しか聞かされておらず、北尾氏、CAMPFIREとは契約書もないようです」」(同編集者)

 北尾氏が「アートの名の下に」、タレントと直で交渉して安く使っていたという声は芸能関係者からも聞こえる。前回のルポにも登場した芸能プロダクション幹部のS氏は「北尾氏は一部の芸能事務所とトラブルもあり、”要注意人物”と目されるほど業界で警戒されていた」と証言する。

■「芸能事務所のマネジメントを横取りする気か!」とカンカンの関係者も

「北尾氏は、関係のある芸能人など著名人のクラウドファンディングを企画し『安い原価で大きな利益を出せる事業を展開する』と周囲に吹聴していた。でも、これって要は自分が仕切って芸能事務所のマネジメント料を横取りするということですよね。一部関係者がカンカンになるのも無理ありません」(前出・芸能プロ関係者)

 北尾氏の行動を考えれば、芸能事務所の厳しい監視の目をぬった「サブカルビジネス」をクラウドファウンディング周辺で立ち上げようとしていたのではないかとも思える。太田出版の退社はその布石だったのか。

 次回は北尾氏が真木を使って行おうとした「サブカル」商売がなぜコミケの「オタク」たちからパッシングを受けたのか。そして、真木を謝罪にまで追い込んだ怪しい「金儲け」の仕組みも明らかにしていきたい。

【短期集中ルポ:真木よう子は誰に騙された?人気女優を利用した”怪しいプロジェクト”の顛末②】

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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