「生産性」は2つのステップで劇的に上がる (3/4ページ)

新刊JP

よって、活動を始める前に、関係者全員に目的・趣旨と活動の手順、それぞれの役割・責任をきちんと説明して全員のコンセンサスを得る必要があります。

その説明の方法は、全員対象で説明会を実施する前に、「抵抗勢力」となりそうな人がいたら、事前の根回しで、了解を得ることが必要です。その結果、全員対象の説明会で活動を応援してもらえれば、その人は「抵抗勢力」とはならないでしょう。

もう1つは、本書で解説している3ステップ、「緊急対応」「再発防止」「未然防止」を1つ1つ地道に実行することが大切です。「未然防止」は、業務改革そのものです。改革に王道はありませんが、方法を間違えなければ必ず成果は出てきます。

――「未然防止」活動に取り組む中で、協力姿勢を見せない人が出てきたら、どのようにアプローチすべきですか?

林原:その人から直接話を聞いてみることです。このとき、「なぜ協力しないのか」と詰め寄るのでなく、相手の目線での対話が重要です。

ひょっとしたら、その人はもっと良い考えを持っている可能性があります。その人の考えを取り入れて、「未然防止」活動を振り返って再構築してみると、その活動がより進化するかもしれません。

繰り返しますが、「未然防止」活動は業務改革そのものです。根付かせて効果を出すためには、方法論が先行するのでなく、マインドを変革する必要があります。したがって、「未然防止」を推進する人たちは、強い意志をもって、関係者と同じ目線で対話しながら、少しずつマインドを変えていってください。そして、経営トップのリーダーシップも必須です。

――最後にこのインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。

林原:本書では1つ目のステップに焦点を当てて説明をしていますが、トラブルの未然防止を実行していくと、本来業務を見直す機会も得られるため、本来業務を改革し、2つ目のステップである「本来業務の効率化」も達成できることにつながります。本書の第5章、事例研究での未然防止の成果がその例です。

どんな活動でも、それに携わっている人たちのモチベーションの維持・向上が不可欠です。そのためには、活動の成果を全員で共有し、「やって良かった」と思えるような活動にしていくことが大切です。

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