東山紀之起用の決め手は反ヘイト?テレビに蔓延る”ジャニーズキャスター”の功罪

デイリーニュースオンライン

Photo by Foto-Rabe(写真はイメージです)
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 東山紀之(50)が10月から『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日)のメーンキャスターに就任するなど、今クールから一層、ジャニーズタレントがキャスターやMC枠を席巻していくと9月17日発売の『週刊女性』が報じている。

 ニュース番組では嵐・櫻井翔(35)が『NEWS ZERO』(日本テレビ系)を、NEWS・小山慶一郎(33)『news every.』を担当。朝の情報番組ではV6・井ノ原快彦(41)が『あさイチ』(NHK総合)、TOKIO・国分太一(43)が『ビビット』(TBS系)のキャスターを務めている。

 記事によると、CDの売り上げ減少とともにアイドルマーケット自体が縮小傾向にあり、ジャニーズも「アイドル」だけでは収益が上がりづらくなっているのだという。「このままではジャニーズタレントが情報番組のMCを独占してしまうかも知れない」と危惧するのはテレビ制作会社ディレクターだ。

「良くいえば”自分の意見を押し付けない”、悪くいえば”色がない”無難なMCをしてくれる。さらに事務所による管理が徹底されているため、スキャンダルに巻き込まれる確率が格段に低い。事なかれ主義の局にとって、癖の強いお笑いタレントや、政治色を出したがるキャスターよりも使いやすいのは間違いありません」

 それゆえにどこもかしこもジャニーズの独占市場となり、似たような番組ばかりになりかねない状況だと同氏は懸念している。だが、ここに来て従来の”使いやすい”ジャニーズと異なる”色”が出始めようとしていると、ある週刊誌の記者は説明する。

「東山紀之は『サンデーLIVE!!』でジャニーズキャスターで初めて”政治色”を打ち出すでしょう。テレビ朝日の抜擢には、視聴率10%をコンスタントに取ってきた『刑事7人』(同局)での貢献もあります。しかし、決め手になったのは局の上層部が『カワサキ・キッド』(朝日新聞出版)を出版して以来、反ヘイトの姿勢を見せてきた東山を気に入ったことが大きい。リベラルメディアの総本山・テレビ朝日のニュース番組なので、政治信条の”身体検査”がバッチリ行われたと言われてます」

 2010年に刊行された同書は、東山が半生を語ったエッセイ。神奈川県川崎市での極貧の少年時代や、祖父がロシア人だったという出自、そして幼少時の自分に「豚足」を食べさせてくれたという在日コリアン一家との交流を赤裸々に告白している。東山はその経験を通じて反差別、反ヘイトの立場をに至ったという。

「さらに東山は今回のキャスター就任について、9月18日発売の『AERA』(朝日新聞出版)で『人間って、ちょっとメスを入れると誰もがまったく同じだとわかる。違いは皮一枚。色だけで、あとはすべてが同じ。それを知ると、差別っていったい何だろうって思います』と語り、(当たり障りの無い芸能人MCに対し)『自分の中にマグマみたいなものがたまっているので、それを思い切り出していきたい』と宣言してるんです」(同記者)

 東山の背後には、”いかにもアサヒ”といった思惑を感じないでもないが、「ジャニーズのMCは無難すぎてつまらない」という通説は破ってくれそうな発言である。日曜の朝といえば、時間帯こそ違うが芸能界きっての保守(?)松本人志(54)の『ワイドナショー』(フジテレビ系)もある。本音はネットにしか落ちていないと言われる昨今、左右を問わず、芸能人が怖れず政治的立場を明らかにするニュース番組が民放で見られると良いのだが。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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