猫は液体でもあり固体でもある。2017年度イグノーベル賞10部門の受賞研究

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猫は液体でもあり固体でもある。2017年度イグノーベル賞10部門の受賞研究
猫は液体でもあり固体でもある。2017年度イグノーベル賞10部門の受賞研究

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 猫は個体でもあるが液体でもあるということは薄々みんな気が付いていたはずなのだが、それを物理学で証明した研究が、イグノーベルの物理学賞を受賞し話題となったことは記憶に新しい。

 他にはどんな研究が受賞したのだろうか?

 いろいろ気になるだろう?ではその10部門をかいつまんで見ていこう。中でもワニとギャンブルの関係性は面白い。

・物理学賞:

 猫のレオロジーについて(On the Rheology of Cats)



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image credit:rheology

受賞理由:「猫は固体かつ液体になれるのか?」という疑問を流体力学で証明したことに対して

受賞者:マルク=アントン・ファルダン(Marc-Antoine Fardin)

研究概要:固体とも液体ともつかないネコのふるまいに注目し「流動体」として物理学的に分析した結果、老いたネコの方が子ネコより流動性が高いことが判明。(Rheology Bulletin掲載)
・経済学賞:

 クロコダイルには絶対微笑むな:電子ゲームマシンへの賭けは、爬虫類による喚起によって強化される



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受賞理由:生きたクロコダイルとの接触が人のギャンブルへの意欲に与える影響を確かめる実験に対して

受賞者:マシュー・ロックロフ(Matthew Rockloff)、ナンシー・グリアー(Nancy Greer)

研究概要:ワニ園を訪れた約100人の被験者に、ワニに触った後でスロットのようなゲームをプレイしてもらった結果、ワニに嫌悪を感じた被験者は賭けに慎重になった一方、何も感じなかった被験者は大金を賭ける傾向があることが判明。(Journal of Gambling Studies掲載)
・解剖学賞:

なぜ老人の耳は大きいのか?



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受賞理由:「なぜ老人の耳は大きのか?」に関する医学的研究に対して

受賞者:ジェームズ・ヒースコート(James Heathcote)

研究概要:人の耳は年に0.22mmの割合で大きくなる。また成長して伸びるのではなく、引力で伸びている。(BMJ掲載
・生物学賞:

ある洞窟に生息する昆虫におけるメスの男性器、オスの女性器、その相関性ある進化



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受賞理由:ある洞窟に生息するメスの男性器とオスの女性器の発見に対して

受賞者:吉澤和徳、ロドリゴ・フェレイラ(Rodrigo Ferreira)、上村佳孝、チャールズ・リエンハルド(Charles Lienhard)

研究概要:2014年、ブラジルの洞窟内で性器の形状が雌雄で逆転した新種のチャタテムシが発見される。交尾時、メスはペニスをオスの体内に挿入し、精子と栄養を受けとる。この新種の昆虫は平安時代の古典「とりかへばや物語」にちなみ「トリカヘチャタテ」と命名された。(Current Biology掲載)
・流体力学賞:

低インパルス体制におけるコーヒーのこぼれ現象についての研究



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受賞理由:人がコーヒーカップを持ちながら後ろ向きに歩くとどうなるかを解明することを目的とした、液体スロッシングの力学に関する研究に対して

受賞者:ハン・ジウォン

研究概要:コーヒーカップ持ちながら後ろ向きに歩くと、コーヒーのこぼれは少ないが、石などにつまづたりしてひっくり返ることもある。(Achievements in the Life Sciences掲載)
・栄養学賞:

ケアシチスイコウモリの食事に含まれていた人間の血液に関する最初の報告



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受賞理由:ケアシチスイコウモリの食事に人間の血液が含まれていたことを初めて科学的に報告したことに対して

受賞者:フェルナンダ・イトウ(Fernanda Ito)、エンリコ・ベルナルジ(Enrico Bernard)、ホドリゴ・トーレス(Rodrigo Torres)

研究概要:主に野鳥の血を主食とする南米の吸血コウモリの糞を調べた結果、その中に人間の血液も含まれていたことが判明。(Acta Chiropterologica掲載)
・医学賞:

チーズに対する嫌悪感の神経基盤:fMRI研究



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受賞理由:最新の脳スキャン技術で、人がチーズに感じる嫌悪感を測定したことに対して

受賞者:ジャン=ピエール・ロワイエ(Jean-Pierre Royet)、デビッド・ムニエ(David Meunier)、ニコラ・トルケ(Nicolas Torquet)、アン=マリー・モーリー(Anne-Marie Mouly)、タオ・ジアン(Tao Jiang)

Frontiers in Human Neuroscience掲載)
・認知科学賞:

それは私、それとも双子のきょうだい? 一卵性双生児における自己顔認証上の利点の欠如



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受賞理由:多くの一卵性双生児がお互いを視覚的に識別できないことを実証したことに対して

受賞者:マッテオ・マルティニ(Matteo Martini)、イラリア・ブファラーリ(Ilaria Bufalari)、マリア・アントニエッタ・スタツィ(Maria Antonietta Stazi)、サルバトーレ・マリア・アグリオティ(Salvatore Maria Aglioti)(PLOS One掲載)
・産婦人科学賞:

膣内における音楽の再生に対する重大な表情



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受賞理由:人間の胎児は、母親のお腹のうえで電子的に再生された音楽よりも、膣内で電子的に再生された音楽のほうに強く反応することを証明したことに対して

受賞者:マリサ・ロペス=テイホン(Marisa Lopez-Teijon)、アレクス・ガルシア=ファウラ(Alex Garcia-Faura)、アルベルト・プラッツ=ガリーノ(Alberto Prats-Galino)、ルイス・パジャレス・アニオルテ(Luis Pallares Aniorte)

備考:2016年、実際に胎教アイテム「babypod」として発表された。(Ultrasound掲載)
・平和賞:

閉塞型睡眠時無呼吸症候群の代替治療法としてのディジュリドゥ演奏:無作為化比較試験



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受賞理由:ディジュリドゥ(オーストラリア先住民族の楽器)を定期的に演奏することが閉塞型睡眠時無呼吸症候群やいびきの効果的な治療法であることを実証したことに対して

受賞者:ミロ・アラン・プハン(Milo Alan Puhan)、クリスチャン・ロカッシオ(Christian LoCascio)、アルフレッド・ツァーン(Alfred Zahn)、マルクス・ハイツ(Markus Heitz)、オットー・ブラエンドリ(Otto Braendli)

備考:この治療法の発想元となった患者で、ディジュリドゥ奏者のアレックス・スアレス氏も授賞式に出席。(BMJ掲載)
translated by hiroching / edited by parumo


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