後輩に夢を。生田高→成蹊大でトップリーグ入り控える石井智亮の思い。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

慶大戦の後半30分、チーム唯一のトライを挙げた成蹊大PR石井智亮。(撮影/松本かおり)

 夢を与えられたらいいな。

 そう思うのは、自分もいろんな人に夢に導かれる道を歩んできたからだ。

 10月1日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた慶大×成蹊大。61-7というスコアで勝利を手にしたのは慶大だったが、成蹊大も、攻守に粘りを見せた後半に手応えを得た試合だった。

 後半30分にはトライも挙げた。そのとき、インゴールにボールを置いたのが4年生の石井智亮(ともあき)だった。182㎝、120㎏のビッグサイズを誇るPRが「夢を与えられたら」と言うのは、大学卒業後は近鉄ライナーズでトップリーガーとなる予定だからだ。

 成蹊大OBのトップリーグプレーヤーは、NTTコムのHO三浦嶺、WTB大芝優泰、キヤノンのWTB/FB藤本健友、NTTドコモの三浦豪とすでに4人いるから、同大学の後輩たちにとっては5人目の憧れの人となる。石井自身、ともにプレーをしていた大芝はもちろん、たまに練習や試合に足を運んでくれる先輩トップリーガーから、わくわくするような話を聞いたり、アドバイスをもらい、夢を膨らませてきた。

「直接話を聞くことで、自分に何が足りないのかも分かったし、トップリーグへの思いが大きくなっていきました」

 そんな日々を過ごしていたから、昨季のプレーを評価されて声をかけてもらったときには夢心地だった。近鉄の練習に加わってみて採用決定。学生生活ラストイヤーを高いモチベーションで過ごしている。

 神奈川県立生田高校でラグビーを始めた。中学時代はサッカーをやっていたが、大柄な体を見逃さなかった瀬尾一幸先生に声をかけられたのが入部のきっかけとなった。

 そして先生は、やがてこう言うようになって、夢を見させてくれた。

「トップリーグの選手になろうよ」

 そんな言葉をかけてくれなかったら、大志を抱くことはなかっただろう。

 3年生が引退すれば人数不足に陥り、合同チームとして大会に参加することもあった。新入生が入部してくれたなら、やっと単独チームでエントリー可能となるような状況の同校だったが、OBの中にひとりのトップリーガーがいる。キヤノンでプレーするLO湯澤奨平だ。

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