新SMAP:新しい地図の独立劇は”テレビvs.ネット”の新旧メディア戦争だった

デイリーニュースオンライン

Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 中居正広(45)が土壇場で一転、ジャニーズ残留したのは「テレビ界への恩があった」からだと、独立騒動の舞台裏を10月3日発売の『週刊女性』(主婦と生活社)が報じている。同誌によると、”6人目のSMAP”とも言われた新事務所CULEN社長・飯島三智(59)には「テレビはコンテンツの一つにすぎない」というビジョンがあったが、中居はレギュラー番組を多く持ち、タモリ(72)やみのもんた(73)のような「司会者」になりたいと願っていたため、テレビを捨てることが出来なかったのだという。

「SMAP独立騒動はまさにテレビVSネットのメディア戦争でした」と説明するのは、週刊誌編集者だ。

「ジャニーズ事務所はまさにネットが弱点。肖像権の使用だけでなく、ネット自体がタブーなことは有名です。ファンクラブは郵便振込が主体だし、個別のグループやタレントがサイトを作ったり、SNSをやるのも基本禁止されています。飯島女史はそこに手を入れようとして、メリー喜多川(90)らと対立が深まったとも言われています」

■BtoBから消費者相手のBtoCへ戦略転換

 その一方で、飯島が「新しい地図」で見せたプロジェクトは、9月22日の朝日新聞の広告以外はすべてデジタルだった。「ユーチューバー草彅剛(43)」「インスタグラマー香取慎吾(40)」「ブロガー稲垣吾郎(43)」をはじめ、ファンクラブもオンライン特典を全面に押し出し、クレジット決済も導入した。

「今回、飯島は商売のやり方を、テレビ局を相手の「B to B」から、ファン個人を相手にした「B to C」にシフトチェンジしたと言われます。ジャニーズのしがらみを気にしてテレビ局から”出演料”を貰うより、ファン1人1人からネットを通じて会費やペイパービューで支払ってもらう方が時代に合致してると踏んだようです」(前編集者)

 元々、ジャニーズ事務所の本道は物販やファンクラブを重視した「B to C」型だった。ファンを大切にしたいという、ジャニー喜多川(85)の基本方針はそこにあったはず。それが、飯島自身の作り出した「SMAP」の活躍で、テレビ局にべったりのメディア依存を生み、吉本興業などが得意とした「B to B」型に寄せすぎていた。飯島は自身の手でその型を破壊しようとしている。

■今後はジャニーズ内部から旧体質に不満を持つ声が?

 退所組の成功で「ジャニーズに在籍するグループから「古い体質」を批判する声が噴出するのは避けられない」と、別のテレビ局関係者がいう。

「すでにIT化の進まない事務所に不満を持つタレントも多い。特にCDセールスが大幅に落ちているのは、YouTubeなどでPVが観られないなどプロモーションの立ち後れが主に原因で、特にテレビより音楽寄りで活動しているKinKi Kids周辺からは『時代から取り残される』と不満が上がっています。ライブではデジタルチケットが最近ようやく導入されたが、4月8日の『ジャニーズJr.祭り』(さいたまスーパーアリーナ)で読み取りで不具合が発生し、約90分もの遅れに繋がった。生まれた時からインターネット環境のあったネットネイティブ世代のJr.の間でも疑問の声が高まっている」

 70年代からテレビとともに歩んできた男性アイドルの在り方が変わろうとしている。ジャニーズとCULEN、そしてテレビとネットの「戦争」はしばらく続きそうだ。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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