【ドラフト特集】2017ドラフト候補怪物図鑑~高校球界のスピードキング・石川翔(青藍泰斗) (2/2ページ)
■数少ない上位候補
「1位候補」とのスカウト陣のコメントもリップサービスではないだろう。7月16日の宇都宮商戦では「9球団21人」が集結した。
ポイントは21人というところだ。ドラフト候補の紹介では「○球団集結」が見出しのワードになるが、石川は1球団あたり2、3人のスカウトを集めている。
基本的にスカウティングの流れは、地方担当のスカウトが逸材を発見し、もし飛び抜けた存在ならば上司を呼ぶというもの。他地方での試合もある中で石川の登板を狙い、複数人で視察しているということからも「本気度」がうかがえる。
今年は清宮幸太郎(早稲田実)、中村奨太(広陵)、田嶋大樹(JR東日本)らがドラフトの軸になるが、意外と上位候補は少ない。話を聞くと「3、4位の候補は多いけど……」と漏らすスカウトもいる。しかし、石川は紛れもなく実力を兼ね備えた上位候補だ。
ただし、先述のケガも含めて体力作りは必要だろう。細かいコントロールにも課題を残す。上位指名でもある程度、3年間は育成に充てる余裕のある球団ならば、未来のエースになれる素材。石川を上位指名した球団のファンはニンマリしてもいいだろう。
文=落合初春(おちあい・もとはる)