「魚の小骨はご飯で除去」「水虫に緑茶」…オヤジが信じる応急処置の“ウソ”

アサ芸プラス

「魚の小骨はご飯で除去」「水虫に緑茶」…オヤジが信じる応急処置の“ウソ”

 気の利いた焼き魚定食が食べられる店を職場の近所に見つけた日には、積年の悩み「昼メシがパッとしない問題」に終止符を打てるというもの。

 ところで、「魚の小骨が喉に刺さった時、ご飯を飲み込んで対処する」という民間療法を実践し、無事に解決したという人はいるのだろうか?

 ご飯に巻き込まれて運良く骨が流されることがあるかも知れないが…。

「逆にご飯粒で骨が押し込まれる可能性もあります。何も口に入れずにツバを飲み込む動作を何度かするか、あるいはプリンのような柔らかいものを飲み込んでみるほうがいいでしょう」(救急救命医)

 発祥不明だったり、表層的なイメージによって生まれる「意味のない民間療法」はまだまだある。

「やけどにアロエの汁を塗る」というのも非常に危険だとか。

「確かにアロエには皮膚にいい薬用成分が入っているとされていますが、軽いやけどではなく、水ぶくれができていたり、皮膚がめくれてしまっているような中~重度のやけどにはやめてください。細菌の感染リスクがあります。そのような時はまず流水で十分に冷やし、消毒液を塗るのに限ります」(前出・救急救命医)

 また「味噌を塗る」「油を塗る」という民間療法もあるが、同じく細菌感染のもとになるので止めておこう。

 職場で嫌われるオヤジ行動のひとつに「歯をシーシー」させるというものがあるが、これも歯痛をごまかしている所作ゆえ。それでも痛みが増してきた時のために「正露丸を虫歯に詰める」という荒業がある。何せ、正露丸の「効用欄」に「虫歯」とあるのだから間違いない。

「これは、空気やツバが虫歯によって表出してしまった神経に当たる部分にフタをするという処置法。正露丸には鎮痛鎮静作用や根幹の消毒用として使用されている成分があるうえ、実は柔らかくてある程度形を成形できることから。しかし、あくまで応急的な処置で治療ではないので、歯科の治療を受けるように。また、氷を噛んで冷やすことで一時的に痛みを和らげる方法でも代用できます」(医療ジャーナリスト)

 歯のシーシーだけですでに嫌われているのに、さらに口臭が正露丸となれば職場の鼻つまみ者に。さらに、足が臭いとなれば「嫌われ役満」が完成してしまう。そう、「水虫ができたら緑茶で洗う」というのも効果がないので注意なのだ。

「緑茶には殺菌効果があると言われていますが、水虫=白癬菌に効果があると証明されていません。お茶っぱで湯出しした桶に足を漬けるとすれば、それだけ患部を湿度に晒すことになるので、治療には逆効果。とにかく通気性を良くして清潔にしましょう。靴下も履き替えたりと工夫すれば、他人に迷惑をかける可能性も低くなります」(前出・医療ジャーナリスト)

 昔からもっともらしく言い伝えられてきた応急処置も、医学的に見れば「根拠ナシ」というものがほとんど。かくもオヤジは病院嫌いではあるが、不調をきたしたら医師に相談するのが無難なようだ。

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