「先に生まれただけの僕」いじめ問題のあり得ない解決法

まいじつ

画/彩賀ゆう
画/彩賀ゆう

『嵐』の櫻井翔が主演を務める連続ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の、10月21日に放送された第2話は、学校に存在する『スクールカースト』という序列についての重くて暗いストーリーが描かれていた。生徒の見た目や学力、恋人の有無などで自然と学校の中でヒエラルキーが形成されるという、現実でも問題になっているテーマだ。

3人の仲がよかった女子生徒が2対1となり、掃除を押し付けられたり、おごらされているようだという話を聞いて、鳴海涼介(櫻井)は校長として黙っていられなくなる。

「いじめているという疑惑のある生徒を呼び出して、被害生徒の聞き取りもないのに鳴海はあっさりと『君たち、いじめをやっている意識はないの?』と問い質していました。教育の現場で被害生徒の聞き取りもなく、当人たちに聞くなんてまずありえない場面です。しっかりと、まずはいじめの証拠を固めて、いじめられている本人の訴えを聞いてから調査に乗り出すもの。初回同様に今回も雑な印象を受けました」(教育ジャーナリスト)

まるで拗ねた子供のような校長

同ドラマのなかで、鳴海といっしょにいじめている生徒に相対する真柴ちひろ(蒼井優)が鳴海に言う。

「“スクールカースト”ってご存じですか? 生徒間の階級のようなものです。怖いのは、一度下に見られてしまった子は、這い上がることができないことです」と生徒のあいだに入っていくのは危険だと諭すが、鳴海はこのままでは、さらなるいじめにつながるからだめだと強弁する。

さらに鳴海は、「京明館高校を大学受験予備校にしたくない。先生には、生徒の立場に立ってもらいたい」と熱く語るが、解決にあたるべき肝心の担任は無関心。商社出身という異色の校長である鳴海に対し、真柴は「大人の尺度を持ち出して生徒に語っている」と責めるが、鳴海は「僕にはああいうしかありません」と反論する。真柴が「だったら、黙って」と返すと、また鳴海は「そしたら、僕がいる意味がありません」と意地になって反論する。

「見ていると、鳴海校長は現場の教師に反論ばかりしています。まるで子供がすねているようで、とても校長先生には見えません。このリアリティーのなさを解消しない限り、ドラマを見ていての違和感は拭えません」(同・ジャーナリスト)

ちなみに、舞台となっている高校の偏差値は44。そういう高校を進学校にする奮闘がドラマの重要なテーマなのだが、まずは教育現場と教師のリアルな言動をドラマに持ち込むことが重要のようだ。

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