捕手大量指名から見てとれる「育成難」の巨人

まいじつ

goran / PIXTA(ピクスタ)
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今年のプロ野球ドラフト会議で、読売ジャイアンツは育成選手を含めると捕手を4選手も指名した。通常であれば、同一ドラフトで年齢の近い捕手の複数指名はしない。捕手を育てるには試合で使い、実戦経験を積ませていくしかないためだ。同時期に同年齢の捕手を獲れば、それだけ育成の機会も少なくなる。

「巨人の捕手大量指名は、正捕手の小林誠司の打撃成績が悪すぎるからでしょう。打率は2年連続で規定打席に到達した打者のなかでリーグワースト。打撃力を生かして今季一軍初出場を果たした宇佐見真吾もいますが、こちらは守備難です。今年のドラフト指名選手が全員入団すれば、来季の捕手は合計11選手。社会人から指名した2選手を含め、サバイバルレースを生き残った捕手を使うようです」(ベテラン記者)

ドラフト会議の翌日、秋季キャンプ先の宮崎県にいた小林は「頑張ります」とコメントを返すだけだった。

我慢不足か実力不足か

今季の巨人は、クライマックスシリーズ制度が始まってから初めて、出場を逃した。4位以下のBクラスに低迷したのは11年ぶりだ。この状況は、レギュラー野手の高齢化が一因だとされており、高橋由伸監督には若手選手の育成と積極的な起用という期待が掛かっている。

その高橋監督は、一部スポーツメディアの取材で次のように明かしている。

「開幕は比較的年齢層の低いオーダーを組めたと思う。こちらとしてチャンスを与えたつもりの若手が持ち堪えられなかった」

2014年のドラフト会議で1位指名をし、今季は特に期待をかけていた岡本和真は開幕戦で先発出場を果たしたが、1カ月後には成績不振で二軍へ降格してしまった。試合で若手を使いたくても使える状況にならなかったのだ。

「岡田彰布氏が阪神タイガースの監督だった時代に、レギュラー野手を作るには1年は必要とし、ルーキーだった鳥谷敬を我慢して使い続けました。その我慢が、2000安打を達成するまでになった今日につながっています」(在阪記者)

高橋監督は巨人へ入団すると同時にポジションが与えられた。学生時代に逆上っても、レギュラー争いで苦しんだことはない。選手を育てるということには向いていない監督なのかもしれない。

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