トランプとドゥテルテを安倍首相が仲裁?日本人に受け継がれた真っ当な”外交感覚”

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トランプとドゥテルテを安倍首相が仲裁?日本人に受け継がれた真っ当な”外交感覚”(写真はイメージです)
トランプとドゥテルテを安倍首相が仲裁?日本人に受け継がれた真っ当な”外交感覚”(写真はイメージです)

 ドナルド・トランプ米大統領(71)は13日、ASEAN関連首脳会議で訪問中のフィリピン・マニラで、ロゴリゴ・ドゥテルテ大統領(72)と会談した。両首脳は冗談を交しながら親しげな姿を見せ、トランプはドゥテルテと「素晴らしい関係にある」とコメント、同地への訪問を「ここに来て本当に楽しんでいる」と話している。

 日本のシーレーン(確保しなければならない海上交通路)に絡む二国首脳の協力は我が国の国防上、重要な課題だった。そんな2人の急接近を演出したとして意外な人物が浮上している。それは安倍晋三首相(63)で、そこにまつわるエピソードがSNSでも話題になっている。

「もともと米比の二国はドゥテルテ氏の大統領就任以来、関係が悪化していた。ドゥテルテ氏は『オバマ(前大統領)は淫売婦のせがれ』『地獄へ落ちろ』と過激な発言を繰り返し、去年10月には『米軍に完全撤退を求めるかも』と軍事協定の見直しを口にするなど厳しい態度を取ってきていた。オバマ氏も南シナ海の軍事拠点化を進める中国に、日本とASEAN諸国で連携して対抗しようとしましたが、その目論みは崩れ去り、後を継いだトランプ氏もフィリピンの反米ムードを嫌い、『(アジア歴訪では)フィリピンは訪問しない』と言っていたようです」(週刊誌記者)

 二国の関係はさらに難しいものになると考えられていたが、そこで一役買ったのが安倍首相だったという。

■日米の信頼関係は”私怨でなく、国益を考えたから”存在する

「日本に対しては『兄弟よりも近い友人』と心を開いたものの、ドゥテルテ氏は根っからの反米主義者で、昨年10月の首相官邸でおこなわれた日比首脳会談の場でも”上から目線の米国”に批判をくり返していました。その際、安倍首相は『教師みたいな言い方はしない。あくまで対等な友人として話す』と前置きして次のように語ったといいます」(前出・記者)

 安倍首相が語ったのは祖父・岸信介のエピソードだったという。「私の祖父(岸信介)もGHQに戦犯として3年間も拘置されました。しかし、(不平等だった)日米安保を改定し、いまの日米同盟の基礎を築いたのも私の祖父です。それは”私怨”ではなく”国益”を考えたからです」(産經新聞より)

 その後、ドゥテルテ氏は「暴言を控える」と宣言し、米国との対話に前向きになったという。その一方で、安倍首相は米国への根回しも抜かりなく行っている。今年9月に行われた米ニューヨークでの日米首脳会談でトランプ氏は安倍首相に「フィリピンにも行かねばならないのか」と相談を持ちかけたというのだ。

 安倍首相が「絶対行った方がよい。あなたとドゥテルテ氏はきっとウマが合うはず」と進言すると、トランプ氏は「シンゾーが言うなら間違いない。フィリピンでの日程を調整しろ」と訪問を決めたという。

 私利私欲でなく、国益を思う心が人を動かし、やがては国を動かす。たとえば幕末、日本の未来を憂い、粉骨砕身して散っていった先達たちは当たり前のように国益だけを考えた。日本人に受け継がれた真っ当な外交感覚が、アジアに平和をもたらすことを信じたい。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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