「男女別学」公立高校は性差別か否か!?

まいじつ

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)
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企業のコンサルタント業務を行う民間会社の『47都道府県魅力度ランキング』なる調査で、群馬県、栃木県、埼玉県の3県は常に最下位を争っている。そして、この3県には、全国的に見ると“絶滅危惧種”と言える男女別学の公立高校がまだ多く残っている。

男女別学が残っていた福島県は2003年度に、宮城県は2010年度までにすべての県立高校が男女共学になった。文部科学省によると、2016年度において全国に3589校ある公立高校のうち、98.6%の学校で男女が共に学んでいる。

「共学化を求める大学教授らのジェンダーを持論とするグループ『関東三県男女共学推進ネットワーク』によると、全日制公立高校のなかで、男子校と女子校が占める割合を示した『別学率』が、2016年度で最も高いのは群馬県で23.5%(16校)。次いで栃木県の18.6%(11校)、埼玉県8.5%(12校)と、関東の3県がトップ3を占めています。少子化の影響で共学化も一部進んでいるものの、有名進学校を中心に別学が残っているのが関東3県の大きな特徴です」(教育ライター)

別学維持派と反対派それぞれの主張

1895年創立の男子進学校、埼玉県立浦和高校は共学化に反対を唱えている。茨城県古河市までの約50キロを7時間以内で走る『強歩大会』や臨海学校の遠泳など、長く質実剛健を貫く伝統行事が多い。これを捉えて「共学化で伝統行事が続けられるとは思えない。“らしさ”が失われるのが心配だ」という声が根強い。

ジェンダー論者は、生物学的性差と区別した社会的文化的に作られる性別、性差に疑問を呈する人たちだ。彼らにとって男女別学は許しがたいものである。建学の精神に基づく私立と違い、公の制度である公立校が性別を理由に入学資格を与えないことは社会的公正さを欠く。多様性を認め合う力が必要とされるこれからの社会に適するのか。こういう主張を掲げて公立高校の男女別学に反対しているというわけだ。

日本最古の公立女子高である名門、宇都宮女子高校は、1875年に創設されている。栃木県は、当時女性の教育が進んだ先進的な地域だったからこそ、逆に別学校が長い伝統を築き、地域に根ざしていたためそのまま残ったのだ。

男女別学は時代遅れなのか。それとも伝統を貫いているのか。

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