世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第249回 日本国の亡国と「皇統」 (1/3ページ)

週刊実話

 現在の安倍政権は、猛烈な勢いで日本国の安全保障を破壊している。
 ちなみに安全保障とは「防衛」のみを示すのではない。
 食料安全保障、医療安全保障、エネルギー安全保障、防災安全保障など、日本国民が日本国内で安全に、豊かに生きていくためには必須の「保障サービス」こそが安全保障だ。
 安倍政権は農協改革、種子法廃止、そして来年の減反廃止と、日本国の農業生産能力を毀損し、食料安全保障を弱体化させる構造改革を推進している。さらに医療については患者申出療養(混合診療)の拡大、医師の給与と直結する診療報酬の削減を図るなど、医療サービスの供給能力弱体化にもご執心だ。

 安倍政権の構造改革路線が進む限り、わが国はいずれ、
 「カネがある国民は、安全な食物を食べられる。カネがない国民は、安全かどうか分からない食物しか口にできない」
 「カネがある国民は医療を受けて助かる。カネがない国民は助からない」
 という国家に変貌を遂げるだろう。

 あるいは、安倍政権の電力自由化路線、特に「発送電分離」は日本国のエネルギー安全保障を決定的に破壊する。何しろ発電会社を電力会社から切り離し「自由参入」を認めるのだ。しかも、外資規制はない。最悪、日本国の発電会社がすべて「中国資本」ということにもなりかねない。
 そして、安倍政権は相変わらず公共投資、公共事業の削減を続け、土木・建設企業の仕事を減らし続けている。このままでは震災大国であるわが国において、土木・建設の供給能力が不足するという形の「亡国」に至るだろう。分かりやすく書くと、次なる大震災が発生した際に、誰も助けてくれないという話だ。

 筆者は食料安全保障や防衛安全保障、医療・介護安全保障などが失われることによる「亡国」について警鐘を鳴らすことを続けている。筆者は「亡国」について、
 「日本国民に主権がなくなること」
 と、定義している。
 主権とは国家の法律、規制、経済政策、安全保障確立などを「国民が自ら決めること」を意味する。すなわち日本がEU(欧州連合)のようなグローバリズムの国際協定に加盟した場合、「亡国」の条件を満たす。

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