大泉洋シリーズ映画第3弾!北川景子の「悪女」ぶりが秀逸『探偵はBARにいる3』

まいじつ

大泉洋シリーズ映画第3弾!北川景子の「悪女」ぶりが秀逸『探偵はBARにいる3』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『探偵はBARにいる3』

配給/東映 丸の内TOEIほかで全国公開中
監督/吉田照幸
出演/大泉洋、松田龍平、北川景子、リリー・フランキーほか

“シリーズもの”といえば、この冬、洋画『スター・ウォーズ』の最新作があるが、「洋画大作なにするものぞ!」の心意気が邦画に欲しい。その点、まあスケールはぐっと小さいが、愛着度は増すばかりのこの最新第3弾が孤軍奮闘している。判官贔屓を承知で、『スター・ウォーズ』より『探偵BAR』と声を大にしたい。

原作は札幌在住のミステリー作家・東直己の『ススキノ探偵』シリーズ。主人公の探偵に大泉洋、その相棒・高田に松田龍平。人気男優によるこの鉄壁の黄金コンビが、北の街を中心に難事件に挑むおなじみのパターン。今回は、高田の後輩からの「失踪した恋人(前田敦子)を探してほしい」という依頼が舞い込むのが、まず発端だ。やがて、札幌経済界で頭角を現す北城という怪しい経営者(リリー・フランキー)や、モデル事務所と偽る風俗店のオーナーと名乗る美女(北川景子)と対峙し、この黄金コンビが生命の危機<コンビ解消(?)のピンチすら迎える。

今回の見どころは、1作目の小雪、2作目の尾野真千子、と毎度登場するワケアリ美女に、北川景子の魅力だろう。その美貌には定評があり、DAIGOと電撃結婚後も人気は衰えない。今回はかなり悪女のニオイがプンプンで、美貌に罪あり、美人に裏の顔あり、ばかりに事件のカギを握る役柄なのだ。絶対的悪女ではなく、時にははかなさ、もろさも醸し出し、クライマックスは過激な拳銃・狂走シーンも見せる“荒ぶる”北川景子が拝める。他にボクのご贔屓女優・鈴木砂羽が元娼婦役で脇を固めていて、女優度は高い。

最後の最後にあるエピローグも必見

このシリーズのもうひとつの魅力は会話の妙。探偵と高田、探偵とヒロインの“掛け合い”も見どころ。シリーズをずっと担当している脚本の古沢良太の才能も大きい。彼は『三丁目の夕日』シリーズなど映画も多いが、テレビドラマのシリーズもの『相棒』、『リーガル・ハイ』などの主人公たちの掛け合いも抜群で、ここでも本領発揮である。

すっかりお約束となった“探偵が拷問される”シーンも盛りだくさんで、かわいそうにと思いながら、ついつい笑ってしまう。災難といえば、これまで無敵を誇った高田がボコボコにやられるのも新鮮だった。監督は橋本一から吉田照幸に手代わりしたが、作品のタッチは不動。エピローグの探偵と高田のやり取りが笑えるので、うっかり早々と劇場を立ち去らぬように。尻尾までアンコの入っている映画だからね。目まぐるしく変わり過ぎる世の中で、『探偵BAR』だけは変わらないのがうれしい。第4弾が今から待ち遠しい。

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