玉木正之のスポーツ内憂内患「白鵬の傲慢な言動こそ角界の『ウミ』だ」 (1/2ページ)

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玉木正之のスポーツ内憂内患「白鵬の傲慢な言動こそ角界の『ウミ』だ」

 稲葉監督率いる日本代表野球チーム「サムライ・ジャパン」が、韓国、台湾チームに勝ってアジア・チャンピオンシップ・シリーズに優勝。これは2020年の東京オリンピックで正式競技となった野球の日本代表チームの強化のために新設された大会だが、実力が拮抗するチームの試合は、見ていてスリルと迫力に溢れ、結構面白いものだった。

 サッカーではACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)で、浦和レッズがサウジアラビアの強豪アルヒラル(アラビア語で三日月という意味)を決勝で破って優勝。最近は南米や欧州から有名選手を集めた中国の台頭などで、レベルが高くなってきたアジアのサッカーでクラブ・ナンバーワンの座についた。

 これらの出来事は、通常ならテレビのワイドショーなどで大きく騒がれてもいい快挙のはずだが、メディアのスポーツの話題は「日馬富士暴行傷害事件」一色。サムライ・ジャパンや浦和レッズの快挙を一面からはずして「暴行事件」を報じたスポーツ紙もあった。

「日本の国技」である大相撲での「暴行傷害事件」であり、しかもその「国技」が汚されたと言える事件なのだから、そのような扱いも仕方ない、とも思えるが、それならもっと真剣に取りあげるべきだったはずだ。

 11月28日になって被害者の貴ノ岩の頭の傷(といわれる写真)がテレビ放送に出回った。が、この写真が何故もっと早く公開されなかったのか?

 9針も縫った‥‥という情報は伝わっても一直線のキズでない場合もあり、相撲を取るのに支障はない‥‥との診断書を書いた医者のコメントが伝えられれば、小さなキズが点在していたと考えて当然だった。

 が、7センチ前後も一直線に裂傷が走り、医療用ホチキスで9箇所も止められた傷口の写真を見せられると、頭から激突する相撲など当分とれるはずがない(と少なくとも相撲を知っている者にはわかるだろう)。

 もちろんこの写真が、貴ノ岩の頭部だとするならば‥‥という(今のところ)仮定のもとでの話だが。顔は写っていないとはいえ、このような写真を作為的に作ったり、別人のケガを写したりすることも考えにくく、貴乃花親方の千秋楽後のコメント(階段から落ちた程度のキズではない)とともに、これは貴ノ岩自身のケガと断定していいだろう。

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