電話の折り返しのマナーとは? 失礼のない対応を覚えよう

フレッシャーズ

電話の折り返しのマナーとは

社会人になると、仕事の連絡で電話を使うようになります。電話対応は新入社員の仕事とされている企業も多く、入社してすぐに電話対応のマナーについて教わることが多いでしょう。そんな電話対応のマナーの中から、今回は「折り返しの際のマナー」についてご紹介します。


■「電話の折り返し」は主に3パターン

電話をかけたが用事のある相手が不在にしていたり、手が離せない状況だと「後で折り返す」ということがあります。これは大きく3パターンに分けられます。それぞれの場合での、適切な話し方をご紹介します。

●他の人宛ての電話で、相手に「折り返してほしい」と依頼された場合

新入社員の場合、最も多いのがこのパターンではないでしょうか。例えば、取引先の担当者から上司宛ての電話があったが、そのとき上司が席を外していたような場合です。

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自分「お電話ありがとうございます。〇〇〇〇〇株式会社、〇〇です」
相手「お世話になっております、私、□□□株式会社の□□と申します」
自分「いつもお世話になっております」(1)
相手「恐れ入りますが、△△課長はいらっしゃいますでしょうか?」
自分「申し訳ありません。△△は席を外しておりまして。社内のようなのですぐに戻るかと存じますが(2)
相手「承知しました。では、申し訳ありませんが、戻られましたら折り返しお電話いただけますよう、お伝えください」
自分「かしこまりました。恐れ入りますが、念のためお名前と電話番号を頂戴できませんでしょうか」(3)
相手「□□□株式会社の□□です。電話番号は***-***-****です」
自分「□□□株式会社の□□様、電話番号は***-***-****ですね、承知いたしました。では、△△が戻りましたら折り返しお電話するようお伝えいたします」
相手「よろしくお願いいたします。では、失礼いたします」
自分「失礼いたします」(4)
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以上が実際の会話です。

(1)あいさつは、会社によって細かい部分が異なることがあります。よく使われているのは「(いつも)お世話になります」「(いつも)お世話になっております」「お世話さまです」「お電話ありがとうございます」「お待たせいたしました」「はい、〇〇〇株式会社です」などです。

「お世話さまです」という言い方は砕けた言い回しで、よく見知った間柄で使われる、とされることがあります。会社や部署の代表電話での応対としては使わないほうがいいかもしれません。

(2)電話の折り返しについては、電話の相手、相手が本来用事のあった当事者の都合がありますので、こちらから折り返すとは申し出ないほうがいいこともあります。電話の相手に決めてもらうほうがいいでしょう。

(3)相手の会社名、名前、連絡先は正確に控えておきましょう。相手に教えてもらった内容は、すぐに復唱して確認するのが基本です。また、相手の電話番号は当事者なら知っている可能性が高いですが、メモに書いてあればすぐに電話することができます。記録するのを忘れないようにしましょう。

(4)電話を切るのは「かけた方が先に切る」のがマナーとされています。相手が切ったのを確認したら、電話機本体のフック(受話器を置く部分です)を指で押し、通話が終了したのを確認してから受話器を置きます。

いきなり受話器を置くと、万一相手側の通話が切れていなかったときに「ガチャッ」と音が聞こえてしまいます。その気はなくても相手に不快感を与える可能性があるので、気を付けてください。

相手との通話が終了したら、相手の名前と連絡先、電話がかかってきた時間と、電話の折り返しが必要だというメモを、当事者の席に残しておきましょう。会社によっては伝言専用のメモ用紙があり、要件を書き留めやすくなっていることもあります。

●不在時にかかってきた自分宛ての電話を折り返す場合

自分が不在にしているときに、他の人が自分宛ての電話を受けたという場合です。どのような用件かわかっている場合、すぐに本題に入れるように準備をしてから電話をかけましょう。

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相手「〇〇〇〇〇株式会社でございます」
自分「いつもお世話になっております、□□□株式会社の□□と申します」
相手「いつもお世話になっております」
自分「お忙しいところ恐れ入りますが、△△様はいらっしゃいますでしょうか」(1)
相手「ただ今お取り次ぎいたします、お待ちください」
自分「お願いいたします」
相手「……どうぞ」
自分「いつもお世話になっております、□□□株式会社の□□です」(2)
当事者「お世話になっております、お電話ありがとうございます」
自分「先ほどは申し訳ありませんでした。お電話をいただいたようですが、どういったご用件でしょうか?」(3)
当事者「実は……」

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(1)取り次ぎの人に「自分は折り返しでかけている」と、あえて伝える必要はありません。また、自分に用事があった当事者が直接出る場合がありますが、その際は取り次ぎをしてくれる人との会話部分は飛ばして「先ほどお電話をいただいたようですが」と話し始めましょう。

(2)取り次ぎの人が「どうぞ」と言って通話から外れ、電話口が当事者に替わったら話し始めます。無言でいると、相手の方から声を掛けてくるかもしれませんが、特に失礼ということはありません。

(3)不在にしていたことをお詫びするのがスマートですが、言わないから失礼というものでもありません。「先ほどお電話いただいたようですが」と話し始めましょう。

●自分が電話をかけたが、相手が不在で折り返しを依頼する場合

用事があって電話した相手が不在ということも考えられます。その場合、どのように連絡を取るべきかは自分で判断することになります。

よくやりとりしている相手ならメールで連絡することもできますし、場合によっては相手の携帯電話の番号を知っているかもしれません。会社の固定電話で折り返してほしいと伝言を頼むのは、緊急性が高い案件の場合が多いでしょう。

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相手「〇〇〇〇〇株式会社でございます」
自分「いつもお世話になっております、□□□株式会社の□□と申します」
相手「いつもお世話になっております」
自分「お忙しいところ恐れ入りますが、〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」
相手「申し訳ございません。〇〇は外出しておりまして、戻りは〇〇時ごろの予定になっております」
自分「さようですか。申し訳ありませんが、ご伝言をお願いできないでしょうか」(1)
相手「かしこまりました。ご用件をどうぞ」
自分「□□□株式会社の□□です。〇〇様が戻られましたら、△△△の件で折り返しお電話いただけますよう、お伝えください」(2)
相手「□□□株式会社の□□様ですね、承りました。では〇〇が戻りましたらお電話するようにお伝えいたします。他に何かございますか?」
自分「いいえ、結構です。お忙しいところありがとうございました。失礼いたします」(3)
相手「失礼いたします」

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(1)取り次ぎの人は、あなたの依頼を受けて当事者に伝言をしなければなりません。これはその人の本来の業務とは関係なく、あなたの用事で手を煩わせるわけですから「申し訳ありませんが」あるいは「恐縮ですが」という言葉を入れましょう。

(2)会社名と自分の名前は、相手から尋ねられる前に伝えるようにしましょう。これができないと「言われないと名前も名乗らない失礼な人だった」という悪印象を与えてしまいます。会社名などは早口で言うと聞き取りにくい場合があるので、ゆっくりはっきり伝えるようにしましょう。

(3)このケースでは、自分が相手の会社に電話をかけているので、自分から先に切らなければいけません。受話器で音を聞きながら、フックを指で押して通話を終了します。ガチャッと受話器を置くのは失礼になるので注意しましょう。

電話の折り返しマナーには絶対的な正解というものはありません。相手の都合を考え、思いやるという視点を持てば、失礼なことはしないようになります。電話をしている間は、自分が企業の代表として話しているということを忘れないように気を付けてくださいね。

(藤野晶@dcp)

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