天才テリー伊藤対談「坂上忍」(4)坂上さんの生き方に憧れちゃうなァ (1/2ページ)
テリー 坂上さんは、これだけ多忙なのに、キッズアクターズスクール「アヴァンセ」を開校して、子役の育成もしているんですね。
坂上 はい、もうまる8年になります。今は3歳から中学生以下の子供まで180人ぐらいの生徒がいて。
テリー すごいね。今の子って、どんな印象ですか?
坂上 芝居に限って言えば、僕らの頃と比べても器用だし、すごく上手ですよね。技術的には全然言うことがないです。ただ、失敗したがらない子が多い気がしますね。「レッスンなんだからトチってもいい」と何度言っても、少し長めのセリフを与えるとトチらないことに重きを置いてしまう。
テリー 正確さのほうを優先しちゃうんだ。
坂上 そういう子は、やっぱりオーディションで弱いんですよ。オーディションの選考なんて、結局、インスピレーションみたいなもんじゃないですか。もちろん、最低限の技術は必要ですけど、「ああ、この子だ」と心に引っ掛かってくるのは、その子だけが持っているものだから。それを伝えるのは大変ですね。
テリー そういう傾向って、親の影響もあるのかな?
坂上 かもしれないですね。僕、親御さんと3カ月に一度、対面で現状報告をしているんですけど、親としてちゃんと見られたいというか、「私、ちゃんとやれていますよね?」とアピールしているお母さんがけっこう多いような気がします。
テリー そうなんですか。
坂上 うちの母の年代って、もうちょっと子育てに関しては、いいかげんだったじゃないですか。「よくわからないけど、とりあえずちゃんと育っているみたいだし、ま、いいか」みたいな(笑)。そういう意味では、昔よりも窮屈になった感じはしますね。