松本人志「今後は黒塗りを叩かなければ浜田差別」に込めた風刺のアンチテーゼ

デイリーニュースオンライン

Photo by Nicholas Kennedy Sitton(写真はイメージです)
Photo by Nicholas Kennedy Sitton(写真はイメージです)

 ダウンタウン・松本人志(54)が14日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)の中で、浜田雅功(54)の「黒塗りメーク問題」に言及したことで波紋が広がっている。

 問題になったのは、昨年大晦日の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』(日本テレビ系)で浜田がエディ・マーフィー役に扮した際に、顔を黒塗りしていた件。日本在住の黒人作家がこれを取り上げ、ネットメディアでは「黒人差別にあたるかどうか」が議論を呼んでいた。

「松本はこの話題の冒頭から『いろいろ言いたいことはあるけど面倒なので、浜田が悪い。アイツ、干しましょう』と悪びれる様子もなく、冗談めかして話していました。しかし、キャスターの安藤優子(59)は『エディ・マーフィーの物真似はいいが、それを笑いのタネにしたことが問題だ』と発言。さらに、アイドルプロデューサーのもふくちゃん(34)も『(どんな状況であれ)黒塗りがアウト』『渡辺直美さん(30)も黒塗りをしてないから世界に受け入れられてる』となどとシビアに批判しています」(週刊誌記者)

 安藤やもふくちゃんの意見に、松本は「今後は黒塗りはいいか悪いか、ハッキリ線引きしてほしい」とした上で「(もしダメなのならば)今後は、黒塗りを同じように叩かなければ浜田差別になりますよ」と”あえて”の極論で疑義を呈してみせた。何でもかんでも「差別だ」「ハラスメントだ」と糾弾して吊るし上げる人権派やBPO(放送倫理・番組向上機構)の動きに、松本はこれまでも「作り手が萎縮」「(向上と)逆方向にいってないか」(同番組/17年11月12日)などと私見を述べている。

 これにはSNS上でも「差別を逆手に取った浜田差別ワロタ」「よっしゃ、俺も浜田差別をする人権団体と戦うぞ」「さすが松本! 村本とは違うお笑い一流のかわし方」と松本に賛同する声が多く見られた。かつてタモリ(72)も75年頃、何にでも差別だとうるさい風潮を茶化して、冷やし中華を冬に出さないという差別と戦う『全国冷し中華愛好会』なる活動をしてみせたことがある。松本の「浜田差別」は同じ風刺のアンチテーゼだと評価する声もあがっていた。

■「渡辺直美は黒塗りしないから世界で認められた」はウソ? 

 その一方で、もふくちゃんをはじめ、黒塗りメイクを問題視する人権派がよく援用する『渡辺直美さんは黒塗りしないから世界に認められる』という説が真っ赤な嘘だとする証言があがっている。

「渡辺は13年元日放送の『史上空前!! 笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ』(TBS系)の中で、黒塗りメイクと黒人イジリで笑いを取りまくっています。出自や趣向をネタにしている分、むしろこちらの方が差別的かもしれません」(前出記者)

 奇しくもこの番組もMCはダウンタウン。ただ、この時は人種問題には発展していない。ともあれ、ネット時代を迎え、岐路に立たされるテレビ番組。今後ますます作りづらくなるのは間違いなさそうだ。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
「松本人志「今後は黒塗りを叩かなければ浜田差別」に込めた風刺のアンチテーゼ」のページです。デイリーニュースオンラインは、黒人差別浜田雅功松本人志ダウンタウンエンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧