無料の牛丼に並ぶのに割高な携帯料金を払い続ける”携帯ユーザー”の知能問題|やまもといちろう

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Photo by PHOTO AC(写真はイメージです)
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 私も吉野家が好きなので、大量にできる行列は何だろうと思っていたところ、どうもソフトバンクモバイルのキャンペーンで、契約者は牛丼一杯無料というイベントに人だかりができている、ということのようです。

■吉野家を先頭に全国各地で渋滞が発生、ソフトバンクの牛丼配給祭で

http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65912045.html

 一番ナンセンスなのは、ソフトバンクモバイルはれっきとした携帯キャリアであり、普通に契約し続けているよりも格安スマホなどMVNO事業者を使えば毎月牛丼何杯分もの通信費を削減できます。

 そればかりか、無料になった380円の牛丼を食べるために2時間待ちをしたり、車で来て渋滞したりと、幾ら無料でも牛丼にありつくためのコストを計算できない人たちがそれだけいるのかというところに驚くのです。もちろん、行列キャンペーンというものは「並んでいるというイベント感そのものが楽しい」というのもあるでしょうが、実際には高額の支払いをしている状態なのに還元方法がこの程度であることにむしろ怒るべきなんでしょうけどね。

 恐らくは、変にキャッシュバッククーポンをつけるよりは、特別感を出す還元方法を考案した結果が吉野家牛丼無料であって、しかもどうやらヒット企画であったらしいというのは悲しいものがあります。渋滞した先が吉野家であったという話は普通に警察沙汰ですので、次回以降きちんとキャンペーンできるのかどうか見ておく必要はあると思うんですよね。迷惑でしょうし。

 常識的に考えて、一時間待って380円のものがタダになる、というのはその人は時給380円程度の稼ぎを狙っているのと同様なので、それ以上の体験(コト消費)をしているよ、と言いたいのでしょう。同様に、25歳以下は牛丼2杯無料というキャンペーンにもなっていて、これらの企画が若者を含めたそういう貧乏層をターゲットにしていることは良く分かります。

 ついでにかつてネットで流行った吉野家コピペまで出回り直す始末でお祭り感はあるんですが、さすがに大渋滞引き起こすようなキャンペーンを組んで展開するというのは常軌を逸しています。今回も相応に通報はあったようですが、さすがに各県警レベルで指導を入れるべき状況が発生しているとも思いますので、生活面で不便に見舞われた方は遠慮なく警察に通報されたほうが良いのでは、と感じます。

 さすがに日程を区切ってタイアップ先の無料の商品をばら撒くのは問題でしょうから、普通に日程を指定しない無料のクーポンを配布するか、普通に通信費の値下げでユーザーに還元したほうがいいと思うのですが。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

文・やまもといちろう

※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。

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