鈴木哲夫の政界インサイド「公明党が“独自主張を強める”裏の深刻事情!」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

公明党らしさを示すために最もわかりやすいのは、憲法改正への慎重姿勢だ。山口代表は新年のテレビ番組で「(党内で)何がふさわしいかの議論はまだ十分に行われていない」と性急な改憲を牽制。公明党がブレーキを踏めば、憲法改正の発議に必要な議席3分の2を確保することに赤信号がともる。

「今後、政策や国会運営など、あらゆる場面で公明党は独自の主張をしてくる。安倍政権は相当、気を遣うことになるだろう」(自民党ベテラン議員)

 すでに、公明党の独自主張は地方から始まっている。公明党の女性地方議員らが、2020年の東京パラリンピックに着目。新たな福祉政策やバリアフリーの予算化を目指すプロジェクトを立ち上げる準備に入っているという。

「公明党らしさは福祉や社会保障。むしろ予算案では自民党にこちらの主張を呑ませるつもりで進めていく」(都内の地方議員)

 いよいよ通常国会も始まった。安倍首相にしてみると、公明党の動きに気が気ではないはずだ。北朝鮮と安保、そして悲願の憲法改正。議論の主題のどれもが、事情を抱えた公明党との関係をどう築くかで、風向きが変わってくる。

 連立政権内の距離感は慎重を要するものなのだ。

ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。

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