パイオニアに聞く 日本のインバウンドビジネスの現状と課題(2) (1/3ページ)

新刊JP

『儲かるインバウンドビジネス10の鉄則 未来を読む「世界の国・地域分析」と「47都道府県別の稼ぎ方」』(日経BP社刊)の著者・中村好明さん
『儲かるインバウンドビジネス10の鉄則 未来を読む「世界の国・地域分析」と「47都道府県別の稼ぎ方」』(日経BP社刊)の著者・中村好明さん

人口減少局面に入、国内需要が縮み始めた日本にとって、「グローバル経済の中でどのように稼いでいくか」は大きな課題となる。

長らく日本のお家芸とされてきたモノづくりを見ても、新興国の台頭著しい今、日本がいつまで世界の中で優位を保ち続けられるかは未知数であり、これから日本の地方の生産拠点はますます海外移転が進む。それゆえ各地方は新しい収益の柱の確立が急務となっている。

そうした中、注目を集めている成長市場が「インバウンド」だ。
観光業界においては「訪日外国人観光客」を指す言葉として以前から知られている「インバウンド」。しかしこの言葉は実態としての広がりを表していないとするのが、『儲かるインバウンドビジネス10の鉄則 未来を読む「世界の国・地域分析」と「47都道府県別の稼ぎ方」』(日経BP社刊)の著者で、10年も前からこの分野に携ってきた中村好明さんだ。

今回は中村さんご本人にインタビュー。真の意味でのインバウンドが示すものと、多くの人にビジネスチャンスが開かれているその巨大な可能性、そして日本のインバウンドに今後求められるものについて聞いた。その後編をお届けする。

――本の中に「花仕事」と「米仕事」という印象的な言葉が出てきます。この二つの仕事の両立が今後のインバウンドビジネスの成功のカギだと指摘され、そしてまた同時に、中村さんは「花仕事から入れ」と提唱していらっしゃいます。この理由はどんな点にあるのですか?

中村:まず言葉の定義からお話しますと、「米仕事」とは、「自分が食べていくための仕事」で、「花仕事」は「地域社会のためになる仕事」です。

「花仕事」がいよいよ重要になってくる理由についてですが、訪日ツーリズムを例に説明すると、今後観光バス等で「点から点を移動する」というような団体旅行の形態はどんどん縮小して、個人旅行(FIT)がマジョリティになっていくのはまちがいありません。そうなると、旅の形態もB2Bであらかじめ決められた特定の観光施設を巡るのではなく、自分たちで探し選んでその街やその地域にやってくるようになる。

「パイオニアに聞く 日本のインバウンドビジネスの現状と課題(2)」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る